【21歳のF1ドライバー】ランド・ノリス 若き才能、マクラーレン成功の鍵を握る

公開 : 2021.02.14 10:25  更新 : 2021.07.12 18:31

水面下で競い合うチームメイト

レースペースも安定しているが、ノリスの課題はバトルでのアタック力をいかに高めるかだ。それは2020年にマクラーレンが彼に課した目標であり、本人も改善を続けてきた。これには経験が必要で、昨シーズンはすべての面でスキルを磨いた。

「まだまだ改善しなければならないことがあるし、もっとうまくやれることもある。すべてのチェックボックスにマークを付けたわけではないけど、チェックしたものの中にはとても重要なものもある。レースでは、レースペースとタイヤセーブが今年に入ってからの目標だったので、とても満足しているよ」

マクラーレンのピット
マクラーレンのピット

「表彰台や大きなポイントを獲得できるポジションにいることができた。一度にたくさん獲る必要はなくて、小さくても積み重ねていけばいいんだ。1秒か2秒の差をつけることができれば、それによって多くのポイントを獲得することができるんだ」

「そういうポジションにいることが多くなったし、それが時間の経過とともに積み重なっていくんだ。自分の走りにはとても満足しているけど、もちろん、もう少しうまくやりたいと思うことは常にある」

これがF1での違いだ。グリッドに並ぶ20人のドライバーの能力には幅があるが、全体の水準は非常に高い。今日ではあまり評価されていないペイドライバーでも、F1の世界で一定以上の基準を達成し、レースに勝利し、チャンピオンシップで高い成績を収めなければならないのだ。グリッド上でベストとワーストの違いは細部にある。

そしてノリスは、確かに背後に富があるものの(父親のアダムは過去にサンデー・タイムズ紙の金持ちリストに登場している)、これまでの経歴を見てもF1のシートに間違いなく相応しい存在だ。

現在、ノリスはドライバーとして「アッパーミドル」と呼ばれる領域にいる。そして彼自身は、ハミルトンやマックス・フェルスタッペンとの違いとなる小さな限界を十分に認識しているだろう。だからこそ、実績のあるトップライナーであるリカルドとの競争は、彼にとって大きなチャンスなのだ。

カメラの前ではおふざけをすることで知られる2人だが、水面下では2人とも真面目に自分たちの技術向上に取り組んでいる。そしてリカルドは、ノリスが自然の摂理をひっくり返そうとしているのと同じように、チームのビッグ・ドッグとして存在感をアピールしていくことになるだろう。

マクラーレンは今年、2020年のマシンをほとんど持ち越しており、リカルドとの戦いは激しさを増していくだろう。ナンバーワン、ナンバーツーという形式的な取り決めは忘れよう。純粋なパフォーマンスで誰がチームの先頭に立つかが決まるのだ。マクラーレンが期待する成功を誰が手にするのかが決まる戦いとなるかもしれない。

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