【欧州最安価の電気自動車?】新型ダチア・スプリング 欧州発売 カーシェアリング導入

公開 : 2021.03.12 18:05

新型ダチア・スプリングが発売されました。45psのモーターを搭載し、航続距離は225km。商用車仕様も。

従来のガソリン車と同等の価格帯

text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)

欧州で最も手頃な価格のEV(電気自動車)と言われる新型ダチア・スプリング・エレクトリックが、フランスで発売された。価格は、フランス政府の手厚い補助金を受けて、1万2403ユーロ(161万円)からとなっている。

ダチアは比較的安価な量産車ブランドとして知られており、新型スプリングの価格は従来の内燃機関を搭載するコンパクトカーのサンデロと同等だ。

新型ダチア・スプリング
新型ダチア・スプリング    ダチア

フランス政府は現在、4万5000ユーロ(585万円)以下のEVを購入する個人に対し、税金を含む購入費用の27%に相当する補助金を出している。また、古い内燃機関搭載車の廃車と引き換えにEVを購入した場合には、さらに2500ユーロ(32万円)を補助している。

4人乗りのスプリングは3月20日に予約受付を開始し、2人乗りの商用車仕様は2022年に導入される予定だ。生産は中国で行われる。

発売当初は2つのグレードが用意されている。エアコン、Bluetooth付き3.5インチディスプレイ、USBポート、ファブリックシートを標準装備した「コンフォート」と、7.0インチのインフォテインメント・ディスプレイ(スマートフォンミラーリング機能付き)、オレンジをテーマにしたインテリア・スタイリングパック、メタリックのエクステリアペイントを追加した「コンフォート・プラス」だ。

カーシェアリング会社のZityを主要顧客として、まず欧州本土で販売される。英国での販売はまだ確定していないが、ダチアは以前、右ハンドル仕様の可能性について「評価中」としてした。

都市部での乗用・商用を想定

親会社のルノーが中国市場で展開している「シティK-ZE」をベースにしたスプリングは、都市部での使用を想定して、乗用と貨物の両方に対応するよう設計されている。最高出力45ps、最大トルク12.7kg-mの電気モーターと、26.8kWhのバッテリーを搭載している。

WLTP複合サイクルでの航続距離は225kmとされ、CCS DC充電器から最大30kWでの急速充電が可能だ。最高速度は100km/hに制限されており、最小旋回半径は4.8メートルとなっている。

新型ダチア・スプリング
新型ダチア・スプリング    ダチア

全長は3.73mで、最新モデルのサンデロよりも0.35m短くなっているが、大人4人が乗車できるスペースを確保しているとのこと。トランク容量は300Lで、リアシートを倒すと600Lになり、フロントには23Lの収納が備わっている。

欧州の一部の国で提供されるカーシェアリング仕様には、耐久性に優れた人工皮革シートと14インチホイールが装備されている。一方、商用車仕様はリアシートを廃止し、800Lのトランク容量と1033mmの荷台長を実現する。

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