【本物の能力と多彩な実用性】ランドローバー・ディスカバリーD300 小変更 マイルドHV

公開 : 2021.04.06 08:25

電動スーパーチャージャーを採用

見た目の変化としては、19インチから22インチまで選べるホイールに新デザインが追加され、LEDヘッドライトやフロントグリルに手が加えられた。テールゲートのナンバープレートは、左にオフセットしたままだ。

Rダイナミックを選択すると、今回の試乗車よりアグレッシブな容姿にコーディネートできる。全体としてハンサムなことに変わりない。見る角度によっては、少しバランスに欠けることも従来どおり。

ランドローバー・ディスカバリーD300 SE(欧州仕様)
ランドローバー・ディスカバリーD300 SE(欧州仕様)

エンジンは、ガソリンがP300の2.0L 4気筒ターボと、P360の3.0Lマイルド・ハイブリッドの直列6気筒が選べる。一方のディーゼルは、マイルドハイブリッドの直列6気筒のみ。D250とD300の2つの設定が用意される。

今回試乗したのはD300。最高出力は、これまでのV6ディーゼルターボが306psだったのに対し、300psへと若干低下。最大トルクも71.2kg-mから66.1g-mへと低くなっている。そのかわりCO2の排出量は下がり、燃費は10%のど伸びている。

マイルド・ハイブリッドとして、電圧48Vで稼働する電動スーパーチャージャーを採用。プラグイン・ハイブリッド(PHEV)は、ディスカバリーでは選べない。

理由は、駆動用バッテリーを搭載することで車両後方のフロアが高くなり、3列目シートに影響が出るため。ディスカバリーは、このクラスでの3列シートを売りの1つにしている。でも、設定がないのは残念でもある。

過度に気取らない多機能モデルの筆頭

走り始めてみると、車内の防音性が大幅に高められていることに気づく。エンジンは従来より滑らかで、存在感は薄い。8速ATはベストの完成度ではないにしろキビキビと動き、ドライブトレイン全体のまとまりは好印象。

車重は2300kgを超え、追い越し時は十分な距離が必要なものの、D300を活発に走ると表現しても大げさではないだろう。エンジンの太いトルクが引き出しやすく、ATのプログラムも良い仕事をしてくれる。

ランドローバー・ディスカバリーD300 SE(欧州仕様)
ランドローバー・ディスカバリーD300 SE(欧州仕様)

今回は直6ガソリンターボのP360にも試乗させてもらった。カタログ燃費はD300より劣るものの、より速く滑らかで、洗練度は上にあるようだ。

動的性能での変化は、ほとんど気付かないレベル。そもそも水準は高かった。BMW X5の方がディスカバリーより機敏に走るとはいえ、大きく劣るわけではない。

高い着座姿勢と相まって、運転はしやすい。ステアリングホイールは直径が大きく、軽く流暢で、正確に反応。不自然なバウンドが少し伴うものの、ボディの揺れは波長が長くゆったりしており、路面を問わず穏やかな乗り心地に浸れる。

ドライバーの操る自信を目覚めさせてもくれる。レンジローバー・スポーツほどではないにしろ、ディスカバリーは巧妙に車重を包み隠した反応を示すためだろう。

フェイスリフト後でも、過度に気取らないディスカバリーは、このクラスで多機能なモデルの筆頭という位置を譲ることはない。現代性を高めた、広々としたインテリアはその強みをバックアップしている。

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