【新次元の992型GT3】ポルシェ911 GT3へ試乗 510ps Fサスはダブルウイッシュボーン 後編

公開 : 2021.04.23 19:05

ハードコアなポルシェ911といえば、GT3がその筆頭。メカニズムのアップデートで走りに磨きがかかった最新992型を、英国編集部が評価しました。

もくじ

新次元といえる落ち着きと精度
格段にシャープでグリッピーなフロント
これまで以上にサーキット志向なGT3
ポルシェ911 GT3(992型/英国仕様)のスペック

新次元といえる落ち着きと精度

text:Andrew Frankel(アンドリュー・フランケル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
少なくとも、郊外の道を快走するであろう多くのドライバーにとって、最新992型ポルシェ911 GT3のサスペンションは硬い。さらに締め上げることも可能だが、ユーザーフレンドリーな乗り心地の方が好まれるだろう。

まだポルシェは明らかにしていないが、GT3のツーリング仕様も出てくるようだ。引き締められたスプリングには、150%も増したダウンフォースを受け止める役割も担っている。ツーリング仕様なら、強い下向きの力を支える必要がなくなるはず。

ポルシェ911 GT3(992型/英国仕様)
ポルシェ911 GT3(992型/英国仕様)

とはいえ、最新のGT3は長距離移動もこなせるほどに洗練されている。低回転域で車内に響く共鳴音さえ気にしなければ。軽量化のためにガラスを薄くし、防音材を削ったことによる影響だろう。

そんな耳障りな音を気にせず速度を上げると、驚嘆の走りが待っている。オーマイゴッド、と叫びたくなるほど。

新次元といえる、落ち着きと精度が明らかになる。より正確にラインを狙えるから、GT3がひと回り小さく感じられてくる。

標準装備されるタイヤは、ミシュラン・カップ2。オプションでカップ2Rも選べる。少なくとも路面が濡れていたり路温が低すぎなければ、ヤケを起こさない限り公道でグリップを失うことはないと思う。

さらに今回のようにサーキットへ持ち込めば、GT3はさらに次の領域を見せてくれる。エンジンは、完璧な雄叫びを上げ続ける。これまで通り、美声を磨いた天才ユニットだ。

格段にシャープでグリッピーなフロント

試乗車のデュアルクラッチ・オートマティック、7速PDKも、シフトノブがステック状になったことを除き、不満を感じる余地は一切ない。

強さを増したダウンフォースが、高速コーナーの路面へGT3を押さえつける。確実な感覚が、ポテンシャルの高い911を存分に楽しもうという自信へつなげてくれる。驚くほどの安定性で、英国ベッドフォード・オートドロームのコーナーを抜けられる。

ポルシェ911 GT3(992型/英国仕様)
ポルシェ911 GT3(992型/英国仕様)

新しいGT3の水準を完全に引き上げているのが、ダブルウイッシュボーン式になったフロント・サスペンション。格違いと感じさせるほど。歴代の911 GT3を楽しみ、特性を理解する幸運なドライバーは、運転スタイルを少し変える必要があるかもしれない。

今までは、仮に無意識だったとしても、主にフロントノーズへ集中力が向かっていた。パワーが有効な状態にある限り、リアタイヤはそのまま制御下に留めておけた。

しかし最新のGT3のフロントは、モンスター級。格段にシャープでグリッピーだ。ポルシェ911のバランスを作り変え、ニュートラルな操縦性を獲得し、はるかに高速なクルマへ進化させている。

ニュルブルクリンクの周回タイムが18秒も速くなったと聞いて、オプションで装着できるカップ2Rタイヤのおかげだろうと考えていた。しかし実際にGT3を体験すれば、新しいフロントサスが同じくらい重要な役割を果たしていたことが理解できる。

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