【あのラリーカーが蘇った?】ランチア037、500馬力超の現代風マシンに 37台限定 価格は6000万円以上

公開 : 2021.05.25 06:25  更新 : 2022.11.01 08:53

ランチア037のレストモッド車両が登場。オリジナルのデザインは継承しつつ、最新装備が搭載されています。

伝説的なMRのラリーマシン

translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)

イタリアのキメラ・オートモーティブ社は、史上最も成功したラリーカーの1つであるランチア037を大幅に近代化・アップグレードしたモデル「Evo37」を発表した。

世界ラリー選手権(WRC)で優勝した最後の後輪駆動車として知られる、ランチアの恐るべきミドエンジン車をベースに開発されたレストモッドだ。

Evo37
Evo37    キメラ・オートモーティブ

キメラはEvo37を「1980年代のWRCの伝説的なクルマへのオマージュ」としている。

開発プロジェクトは、エンジニアのセルジオ・リモーネとヴィットリオ・ロベルティ、2度のWRCチャンピオンに輝いたミキ・ビアシオンなど、オリジナルのランチアに携わったサプライヤーやエンジニアの貢献により完成した。

037と同様に、Evo37もランチア・ベータ・モンテカルロのシャシーをベースに、フロントとリアに新しくスペースフレーム・セクションを追加している。

オーリンズ製のアジャスタブル・ショック、ブレンボ製の高性能ブレーキ、ピレリ製のスポーツ・タイヤなど、シャシーは全面的に改良されている。

デザインはオリジナルに忠実

車両重量は明らかにされていないが、パワーウェイトレシオが1ps/2kgであることから、約1トンになるものと思われる。

総出力は、オリジナルの037の約2倍に上る。

ランチア037とEvo37
ランチア037とEvo37    キメラ・オートモーティブ

エンジンは標準仕様のブロックをベースに、1980年代にランチアのモータースポーツ・パワートレイン・プログラムを監督した著名なイタリア人エンジニア、クラウディオ・ロンバルディの監修のもと、さまざまな改良が加えられている。

キメラの発表によると、ターボチャージャー付き4気筒ユニットの出力は505psと56.0kg-mで、性能の詳細はまだ明らかにされていないが、0-100km/h加速は約4.0秒、最高速度は数百km/hに達するという。

全体的なデザインはオリジナルをほぼ踏襲しているが、ラリースタイルのホイールや、特徴的なクワッド・ヘッドライトのデザインが微妙に変更され、LEDが使われている。

ボンネットとリアデッキのデザインも刷新され、前後のオーバーハングはわずかに短くなっている。

インテリアは高級仕様?

インテリアでは、カーボンファイバーやアルカンターラを使用するなど、1980年代のオリジナルモデルとは一線を画している。ただし、油圧式ハンドブレーキ、アナログメーター、4点式レーシング・ハーネスなど、ラリーの伝統を受け継いだ仕様となっている。

キメラは、このモデルを37台製造する予定で、価格は41万4000ポンド(6378万円)からとなっており、すでに11台が販売されているという。

Evo37
Evo37    キメラ・オートモーティブ

7月に英国で開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで一般公開された後、9月から顧客への納車が開始される予定だ。

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