優勝は約30万円で買ったスコダに乗る22歳! 三菱ギャラン『エボ0』なども登場 平凡なクルマの祭典(2)

公開 : 2026.01.25 17:50

ありきたりのクルマが集まる英国の祭典 日本でも珍しい古いダットサンやマツダも 英国自動車文化の奥深さを物語る 幅広い年代・嗜好のクルマ好きが一同に会したイベントへUK編集部が潜入

新車時以上に美しい状態のスコダ

2025年の「フェスティバル・オブ・ジ・アンエクセプショナル」で、総合優勝の「コンクール・ド・ロルディネール」賞を獲得したのは、サイモン・パツコフスキー氏の1992年式スコダ・フェイバリット。本人は、予想外の高評価へ驚いていた。

エンジンのガスケットが吹き飛び、廃車寸前だったフェイバリットを購入したのは2年前。フェイスブックのマーケットプレイスで、1400ポンド(約30万円)で売りに出ていたという。

1992年式スコダ・フェイバリットと、オーナーのサイモン・パツコフスキー氏
1992年式スコダ・フェイバリットと、オーナーのサイモン・パツコフスキー氏

若干22歳の彼は、生まれる前に工場をラインオフしたスコダを、新車時以上に美しい状態へ仕上げた。カーイベントでトロフィーを勝ち取るのに、大金をつぎ込む必要がないことを証明したといえる。

「このクルマが、こんなに好意的に受け止めてもらえるとは、思っていませんでした」。受賞を誇り高く受け止めるように、彼は優しく微笑んでいた。

クラシックとしての素質が高かったベータ

続いて、筆者が注目した4台をご紹介しよう。1台目は、殆どサビのない1977年式ランチア・ベータ・ベルリーナ。エリック・ヴァードン・ロー氏は、バンコク・イエローへ塗られた1台を、2年前に購入したという。

走行距離は、たった6万1100km。中級グレードといえた1600で、ボディは事前に再塗装されていたようだが、高度にオリジナル状態が保たれている。

1977年式ランチア・ベータ・ベルリーナ
1977年式ランチア・ベータ・ベルリーナ

ベータはサブフレームが錆びやすく、多くが鉄くず業者へ引き取られていった。それでも、ツインカムエンジンに5速MTが組まれ、サスペンションは独立懸架式。ブレーキもディスクが標準で、クラシックカーとして評価される素質は充分に高かった。

スタイリッシュなダットサン・バンも

1972年式のダットサン(日産)160B バン・デラックスは、日本生まれの普通車ではあったが、スタイリッシュなボディで当時から注目度は低くなかった。マスタード・イエローの1台は、オランダ(ネザーランド)へ上陸後、ノルウェーで販売されている。

160Bと180Bシリーズは、サルーンとクーペ、バン/ワゴンという3種類のボディが選べた。だが、同じ左側交通にも関わらず、英国では正式に販売されることがなかった。ベースグレードの160Bシリーズは、そもそも売られた国が非常に限られた。

1972年式ダットサン(日産)160B バン・デラックス
1972年式ダットサン(日産)160B バン・デラックス

このクルマはデラックス仕様で、フロアカーペットとダッシュボードのフェイクウッド・トリムを装備。スチールではなく、プレス加工されたアルミホイールを履いている。フェンダーミラーが、時代を物語る。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・カルダーウッド

    Charlie Calderwood

    英国編集部ライター
  • 撮影

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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