平凡なクルマの祭典(1) トヨタの「天才タマゴ」が普通に参加! 英国文化の奥深さ物語るイベントに潜入

公開 : 2026.01.25 17:45

ありきたりのクルマが集まる英国の祭典 日本でも珍しい古いダットサンやマツダも 英国自動車文化の奥深さを物語る 幅広い年代・嗜好のクルマ好きが一同に会したイベントへUK編集部が潜入

若い層へ開かれた「ありきたりなクルマ」の祭典

グレートブリテン島中東部のリンカンシャー州で、毎年開かれているのが「フェスティバル・オブ・ジ・アンエクセプショナル」、ありきたりなクルマの祭典だ。参加車両の縛りが極めて緩く、若い世代へも広く門戸が開かれていることが特徴といえる。

ただ自由に集まるだけではなく、数100台の候補車から最も注目すべき1台を選出する、「コンクール・ド・ロルディネール」賞も設けられている。今回は、22歳のサイモン・パツコフスキー氏が持ち込んだ、1992年式スコダ・フェイバリットが優勝した。

トヨタの天才タマゴ、初代エスティマも参加した「フェスティバル・オブ・ジ・アンエクセプショナル」
トヨタの天才タマゴ、初代エスティマも参加した「フェスティバル・オブ・ジ・アンエクセプショナル」

製造から25年が経過した、一般的な量産車ならノミネート可能。賞へ選ばれるには、最高の状態である必要はあるが、現在に至る歴史や所有にまつわる物語も重視される。

英国の自動車文化の奥深さを物語る

このフェスティバルでは、忘れていたような懐かしいクルマが毎年発掘される。それらが、歴史あるグリムズソープ城の敷地へ並ぶ景色は壮観だ。

「普通のクルマ」が朽ち果てることなく、21世紀も四分の一が過ぎた今へ生き残っていることへ、驚かされる。英国の自動車文化の奥深さも物語る。

1976年式ダットサン(日産)・チェリー 100A
1976年式ダットサン日産)・チェリー 100A

ジェイソン・クローリー氏の1976年式ダットサン(日産)・チェリー 100Aは、その好例。ジェイソン・クローリー氏の1999年式シトロエンベルランゴ・パネルバンも、現役を退きつつ、信じられないほど美しい姿が維持されている。

主役は1990年代の欧州製ハッチバックで、優勝したフェイバリットもその1台。2位にはカラム・ベイリー氏の1999年式フォード・モンデオ LX、3位にはアンディ・スミス氏の1979年式シトロエン・ビザ・クラブが選ばれた。

日本でも珍しいキャラバン、コスモも

普通のファミリーカーでも、25年が過ぎればクラシックカー。味わいが増してくる。フィアット・テンプラ 1.6ie SWなどは、典型だろう。1995年式ラーダ・リヴァ 1.5L ワゴンも、錆びずに耐え抜いて来たらしい。

1970年代のシトロエンLNAに、ヴァンデンプラ1750 HLなどは、誕生から半世紀が経っている。参加者の多くが、生まれる前のクルマなはず。

1994年式インフィニティQ45に続いて入場する、初代日産マーチ(マイクラ)
1994年式インフィニティQ45に続いて入場する、初代日産マーチ(マイクラ)

かつての英国では珍しかった、古い日本車も数多く集まった。1985年式ダットサン(日産)・キャラバンや、1994年式インフィニティQ45、1983年式マツダ929(コスモ)などは、ご当地の日本でも珍しい存在ではないだろうか。

英国自動車博物館も、近年の日本車人気を反映し2台を出展した。1978年式ホンダプレリュードと、1998年式トヨタ・アベンシスだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・カルダーウッド

    Charlie Calderwood

    英国編集部ライター
  • 撮影

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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