【全方位的な高い完成度】新型メルセデス・ベンツCクラス C 220dへ試乗 全グレードHV化 後編

公開 : 2021.06.28 19:05

すべてのグレードに電動化技術を採用し、刷新された5代目Cクラス。先代や宿敵の3シリーズを超える人気を得られるのか、英国編集部が評価しました。

48VのマイルドHVに加えPHEV

text:Greg Kable(グレッグ・ケーブル)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
最新の5代目メルセデス・ベンツCクラスは、英国では2021年9月からデリバリーが始まる。トリムグレードは6段階で、エンジンは4気筒ガソリンターボが2種類と、1種類の4気筒ディーゼルターボから選択できる。

英国に導入される中で、C180とC200、C300、C220d、C300dは電圧48Vのスターター・ジェネレーター(ISG)を搭載するマイルド・ハイブリッド。加速時は最大20psでアシストし、低負荷時にはエンジンを停止させ、効率的にエネルギーを回収してくれる。

メルセデス・ベンツCクラス C 220d(欧州仕様)
メルセデス・ベンツCクラス C 220d(欧州仕様)

C300eはプラグイン・ハイブリッド(PHEV)。WLTP値でのEVモードの航続距離は89kmから110kmと、かなり長い。

少し詳しく見ていくと、C180とC200が積むのは1.5Lの4気筒で、最高出力は170psと204ps。C300では2.0Lになり257psを得る。C300eにも同じ2.0Lが載るが、最高出力は204psへ制限される。モーターとのシステム総合では312psと最もパワフルだ。

C220dとC300dの2.0Lディーゼルは新ユニット。最高出力はそれぞれ200psと264psに設定される。ちなみにBMWの320dの場合、マイルド・ハイブリッドで189psとなっている。

トランスミッションはCクラス共通で9速AT。後輪駆動が基本だが、C200とC300には市場に応じて四輪駆動の4マティックも提供されるとのこと。

5代目Cクラスの車内パッケージングはしっかり煮詰められ、リアシート側の空間は明らかにゆとりが生まれている。先代比では足もとで21mm、肘付近で22mm、肩の高さでは13mm広くなったという。

ボディが大きくなった割に、荷室容量は成長していない。サルーンでは455Lに留まり、CLAより15L、3シリーズより25L小さい。

滑らかで不満ないほど活発な2.0Lディーゼル

予習が少々長くなってしまったが、今回試乗したドイツ仕様の左ハンドル車は2.0Lディーゼルでマイルド・ハイブリッドのC220d。英国では伝統的に、Cクラスはディーゼルエンジンの支持が高かった。新しいCクラスとの相性も優れているようだ。

エグゼクティブ・サルーンとディーゼルターボという組み合わせは、5代目でも幅広い魅力を生んでくれる。最大トルクの44.7kg-mは1800rpmから2800rpmの間で生み出され、穏やかに走りたい市街地でも、急いでいる郊外でも、扱いやすい。

メルセデス・ベンツCクラス C 220d(欧州仕様)
メルセデス・ベンツCクラス C 220d(欧州仕様)

洗練度も称賛に値するレベルで、ディーゼルエンジンとしては滑らかに、中回転域以上でも静かに吹け上がる。先代のCクラスの同等グレードとの比では4.0kg-mほどトルクが増しており、0-100km/h加速は7.3秒と充分。

最高速度は244km/hに設定される。220dはディーゼルのエントリーグレードながら、不満ないほど活発といえると思う。

ただし、燃費はライバルほどではない。WLTP値で19.2km/Lから20.0km/Lがうたわれ、CO2の排出量は131g/kmから138g/km。宿敵BMW 320dの場合、燃費は20.0-22.2km/Lで、CO2の排出量は118-130g/kmとなり、どちらも勝っている。

9速ATは巧みに動作し、テキパキとスムーズに必要な段数を選んでくれる。この駆動系統の精度の高さは、操縦性にも反映している。5代目は、これまで以上に自然でレスポンスが良い。

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