【スーパー・トロフェオを公道で】ランボルギーニ・ウラカンSTOへ試乗 NA V10で640ps 前編

公開 : 2021.08.09 08:25

サーキット走行にフォーカスされたウラカンが、最新のSTO。NA V10を搭載する最速のウラカンを、英国編集部がヴァレルンガで評価しました。

公道を走れるスーパー・トロフェオ

text:Mike Duff(マイク・ダフ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ランボルギーニは、そもそもサーキット走行が得意だ。ウラカン・ペルフォルマンテもアヴェンタドールSVJも、塗り替えられてしまったとはいえ、ニュルブルクリンク・ノルドシュライフェのラップタイム記録を打ち立てた過去がある。

だが最新のSTOは、サーキット走行を定期的に楽しみたいドライバーをターゲットとした、ウラカン初の最もシリアスな仕様。ランボルギーニとしては、新展開といえる。

ランボルギーニ・ウラカンSTO(欧州仕様)
ランボルギーニ・ウラカンSTO(欧州仕様)

ライバルを挙げるならマクラーレン765LTや、メルセデスAMG GT ブラックシリーズなどに匹敵する。本気度は高い。

STOとは、スーパー・トロフェオ・オモロガータの略。ウラカンのワンメイクレース、スーパー・トロフェオ・シリーズを戦うマシンに採用される、高度な技術がロードカーへ落とし込まれている。

スリックタイヤを履く、トロフェオ・マシンほど速いわけではない。しかし、ローマ近郊のヴァレルンガ・サーキットでの試乗は、ウラカン史上最も痛快な体験だったことは間違いない。

搭載するエンジンは、STOの他の部分と比べると内容は穏やか。ランボルギーニが長く愛用する5.2Lの自然吸気V型10気筒エンジンは、ウラカン・ペルフォルマンテと同じ640psの最高出力を発揮する。ターボで加給するライバルには、少し及ばない。

最大トルクも57.4kg-m/6500rpmで、ライバルと比べれば見劣りするかもしれない。しかし、自然吸気エンジンは8500rpmまで高らかに吠え挙がる。トランスミッションは7速デュアルクラッチATで、後輪駆動だ。

ペルフォルマンテより43kg軽量

ランボルギーニでチーフエンジニアを務めるマウリツィオ・レッジャーニ氏によれば、後輪駆動化により、20kgの軽量化を果たしたという。さらにカーボンファイバー製のボディパネルや、軽量なフロアマットの採用などで、一層のダイエットを実現している。

フロントガラスも、軽量化のために薄くなっている。アクティブ後輪操舵システムの採用で8kgが追加されているが、ウラカンSTOの乾燥重量は1339kg。ウラカン・ペルフォルマンテより43kgも軽い。

ランボルギーニ・ウラカンSTO(欧州仕様)
ランボルギーニ・ウラカンSTO(欧州仕様)

STOの専用ボディが生み出す空力特性は、スーパートロフェオに最も接近している部分。標準のウラカンに搭載される可変システムが降ろされ、手動で3段階に調整可能な、一部が2段にわかれる巨大なリアウイングが載せられた。

大きな下顎のような、フロントスプリッターも目を引く。最もアグレッシブな設定にすれば、280km/hでの走行時に420kgのダウンフォースを生み出すという。最もマイルドな状態でも、324kgが得られる。

STOが履くタイヤは、ブリヂストンのポテンザ。より溝が多く入るカップと、カットスリックに近いレースの、2種類のパターンから選択できるという。

ブレーキディスクは、モータースポーツ仕様のブレンボ社製CCM-Rカーボン・セラミック。マクラーレン・セナが装着するものに近い。素晴らしい装備リストだ。

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