【バブル再来か】高額落札が続々 RMサザビース・モントレー・オークションで何が起きた?

公開 : 2021.08.21 19:15  更新 : 2021.10.11 10:52

1億円超えの高額落札が続出。RMサザビースの最高峰「モントレー・オークション」を解説。富裕層の間で、何が起きているのでしょう。

RMサザビースの天王山

執筆:Kazuhide Ueno(上野和秀)
撮影:RM Sotheby’s

北米のクルマの祭典、モントレーカーウィークでは大小数多くのオークションが開かれる。その頂点に位置するのが、RMサザビースのモントレー・オークションだ。

トップ・オークショナーである同社にとって、モントレーは1年を代表する重要な存在。毎年マニア垂涎のレアモデルを多数用意することで知られている。

昨年はオンラインで開かれたRMサザビース・モントレー・オークションが、リアル開催で戻ってきた。入札者も待ち望んでいたようで、驚異的といえる高額落札が連発。
昨年はオンラインで開かれたRMサザビース・モントレー・オークションが、リアル開催で戻ってきた。入札者も待ち望んでいたようで、驚異的といえる高額落札が連発。    RM Sotheby’s

昨年はコロナ禍の影響からオンラインでの開催を余儀なくされたが、今年は他のオークションハウスと同様に、いつものようにビッダーを集めて開くことができた。

8月12日から14日までの3日間で行われ、オークション界のリーダーを自負するだけに、極め付けといえるモデルが159台用意された。

会場にはオークションになかなか姿を見せない希少なモデルたちが、さも当たり前のように並び、下手なミュージアム以上といえる素晴らしい光景が広がった。

159台 注目車両は?

出品された159台の予想落札額を見てゆくと、100万ドル(約1億1000万円)以上を掲げる出品車は56台にも及ぶ。会場に並ぶのは、誰もが欲しがるレアモデルばかりである。

主役格のジャガーDタイプとポルシェ917K、アストン マーティンDB4GTザガート、フェラーリ268SP、シェルビー289コブラが一堂に並ぶのは、RMサザビースならではといえる。

高値2位 1962年フェラーリ268SP(8億4755万円)
高値2位 1962年フェラーリ268SP(8億4755万円)    RM Sotheby’s

フェラーリなら166MM、250GTツールド・フランス、250GTルッソ、275GTB/C、512BB/LM、F40F50、エンツォ、ラ フェラーリ、F60アメリカに加え、レアな近年のマニュアル車など37台を用意。

中でも注目を集めたのが、1962年のル・マンを闘ったスポーツプロトタイプの268SPだ。

また、アルファ・ロメオでは戦前のレーシングモデルであるティーポC、8C 2300モンツァという貴重なモデルが、さらに新旧のブガッティ、未塗装のランボルギーニ・ミウラP400S、メルセデス・ベンツ300SLガルウイングというお約束の人気モデルも揃った。

とくに力が入っていたのがアストン マーティンの車両で、DB4GTザガート、DB4GTサンクションIIザガート、DB4GTライトウェイト、DB5コンバーチブルとコレクター垂涎のモデルが出揃う。

アメリカのオークションに欠かせないデューセンバーグ、パッカード、アラードはもちろん、日本車はレクサスLFAが2台と、FJ45ランドクルーザー日産スカイラインGT-R R33も並んだ。

そして、3日間にわたるオークションを終えてみれば、とてつもない記録が樹立されていた。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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