【ココが面白い!】ル・マン24時間レース 観るべき6つの理由 8月21日23時スタート

公開 : 2021.08.21 18:05

今週末フランスで開催される伝統的な耐久レース、ル・マン24時間。注目したいポイントを6つ紹介します。

見どころ満載の耐久レース

執筆:Damien Smith(ダミアン・スミス)
翻訳:Takuya Hayashi(林 汰久也)

8月にル・マン24時間レースが開催されるのは初めてのことだ。世界で最も有名な耐久レースであるル・マンは昨年、新型コロナの影響で無観客での開催となった。

今年も従来の開催月である6月から外れてしまったが、少なくとも何万人ものファンを迎え入れることができる。昨年とは大きな違いだ。

日本時間では8月21日23時から決勝がスタートする。
日本時間では8月21日23時から決勝がスタートする。

モータスポーツ界の一大イベント、第89回ル・マン24時間レースに期待する6つの理由を紹介する。

1. ハイパーカーの登場

あまりにも高価だったLMP1に代わり、新しいハイパーカー(LMH)クラスがル・マンに初登場。レースが再び大きな盛り上がりを見せている。

24時間レースが100周年を迎える2023年には、フェラーリポルシェアウディトヨタプジョーBMWなど名だたるメーカーが参加し、サルト・サーキット史上最も激しい戦いの火蓋を切ることになるだろう。それもこれも、「身近」なハイブリッド技術と厳しい予算で効率化を図る新しいルールブックのおかげである。

舞台は全長約13kmに及ぶサルト・サーキットで、普段は一般道として使われている区間もある。
舞台は全長約13kmに及ぶサルト・サーキットで、普段は一般道として使われている区間もある。

今シーズンの世界耐久選手権には、ハイパーカークラスはわずか5台しか参戦していないが、レースにおける新たな幕開けを意味することに違いはない。

2. トヨタが勝つと決まったわけではない

トヨタの新型GR010ハイブリッドは、これまでに開催された3戦すべてで優勝している。だが、ル・マンでも無敗を貫ける保証はまったくない。

15日に行われたル・マンのテストデーでは、グリッケンハウスのオリビエ・プラが、午後の5時間のセッションのうち10分を過ぎた時点でトヨタのタイムを抜き、トップに躍り出た。トヨタにとって大きな脅威となるはずだ。

トヨタ・ガズーレーシングは2台のGR010ハイブリッドを繰り出す。
トヨタ・ガズーレーシングは2台のGR010ハイブリッドを繰り出す。

グリッケンハウスの007 LMHが3.5Lツインターボ・ノンハイブリッドのV8を搭載しているのに対し、トヨタの3.5LツインターボV6は、フロントアクスルに取り付けられたモーター・ジェネレーター・ユニットと組み合わされている。両者は680ps/500kWという上限出力を達成するため、対照的なソリューションを採用しているのだ。果たしてグリッケンハウスは、トヨタを打ち負かすことができるのだろうか?

モンツァのWECテストでは、ジム・グリッケンハウスの掲げる野望が単なる夢物語ではないことを示したが、結果の如何はマシンの信頼性にかかっている。一方のトヨタは、耐久テストを十分にこなしてはいるものの、トラブルに無縁というわけではない。ル・マンでは何が起こるかわからない。

第5のLMH候補はLMP1マシンのアルピーヌA480で、厳しい制限を受けている。トヨタやグリッケンハウスよりも頻繁に燃料を補給する必要があるが、予選ではグリッケンハウスを抑えて3位についている。1978年以来、2度目となるル・マン優勝の可能性を十分に秘めているといえるだろう。

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