【コスパの優等生】トヨタ・カムリへ英国試乗 小変更 インフォテインメントを更新

公開 : 2021.10.02 08:25  更新 : 2021.10.14 16:01

トヨタ・カムリがマイナーチェンジ。充実装備に加え、アップデートされたインフォテインメント・システムの採用を、英国編集部は評価します。

登場以来、控えめな欧州での販売台数

執筆:Illya Verpraet(イリヤ・バプラート)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
トヨタカムリは普段、ほとんど話題に上がらないかもしれない。現行型が欧州へ上陸してから数年が経つ。それ以来、トヨタの4ドアサルーンの販売台数は控えめなままだ。

もっとも、トヨタ自身も北米と同様の人気を、欧州市場で獲得できるとは考えていなかったはず。この地で大型サルーンが選ばれる場合は、基本的にプレミアム・ブランドが中心となる。

トヨタ・カムリ・エクセル 2.5ハイブリッド(英国仕様)
トヨタ・カムリ・エクセル 2.5ハイブリッド(英国仕様)

北米市場を前提に生まれたカムリとはいえ、新鮮さを保つためにトヨタはアップグレードを欠かさない。2021年に加えられた変更で、BMW 5シリーズ並みの支持を得ることはないにしろ、従来までの弱みを上手にカバーしている。

その中心といえるのが、中級グレード以上での、9.0インチという大画面タッチモニターの獲得。便利なショートカットキーも付いている。エントリーグレードでは7.0インチのままだが、アップル・カープレイとアンドロイド・オートには対応した。

アダプティブ・クルーズコントロールと車線維持支援システムも搭載する。高速道路なら、半自律運転が可能となる。

見た目では、フロントグリルとヘッドライトの造形が新しくなった程度。アルミホイールも、新デザインが用意された。

今回試乗したのは、上級のエクセル・グレード。こちらにはベンチレーション機能付きのシートに、ヒーター内蔵のステアリングホイール、スマホのワイヤレス充電機能、360度カメラなどが装備される。

従来どおりコストパフォーマンスに優れる

パワートレインに変更はない。トヨタでは定番といえる、自己充電式のハイブリッドを搭載する。カムリの場合、2.5Lの4気筒ガソリンエンジンが178psを発生。遊星ギア付きの電気モーターがアシストする。

またハイブリッドシステムはCVTと一体になっており、前輪を駆動。システム総合での最高出力は218psで、充分な数字といえるだろう。

トヨタ・カムリ・エクセル 2.5ハイブリッド(英国仕様)
トヨタ・カムリ・エクセル 2.5ハイブリッド(英国仕様)

トヨタ・カムリは、コストパフォーマンスに優れることは従来どおり。エントリー・グレードの英国価格は、3万2260ポンド(490万円)から。エクセルの場合は、3万4830ポンド(529万円)からとなる。

同じ金額でBMWのサルーンを選ぶなら、非常にベーシックな320iが良いところ。装備は簡素なものに限られてしまう。

新しいインフォテインメント・システム用モニターは、ダッシュボードの上部へ誇らしげに据えられた。カムリのインテリア全体の眺めを、少し現代的に見せている。

正直、システムのソフトウエアは少々時代遅れな感じはある。それでも反応自体は軽快で、スマートフォンとのミラーリング機能に対応するから、多くの人はそれほど不便を感じないはず。

アップル・カープレイとアンドロイド・オートは、どちらも有線での対応。ワイヤレス充電パッドは、期待ほど効果的とはいえなさそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

おすすめ記事