【一騎打ち】どっちがいい? 人気者「ルーミー」と先駆者「ソリオ」を比較

公開 : 2021.09.25 05:45  更新 : 2021.10.13 12:01

ソリオが優勢 ラゲッジルーム

まずは車体サイズの比較だ。

実は、「現行モデルのソリオ」とルーミーでは車体サイズが微妙に異なる。

スズキ・ソリオ
スズキ・ソリオ    スズキ

ソリオは2020年末にフルモデルチェンジしているが、それまでのモデルの車体サイズ(標準車)は全長3710m×全幅1625mm。

一方でルーミーは3700mm×1670mm。全長に関してはわずか10mmの差でしかなかった。

しかし新型ソリオのサイズは3790mm×1645mm。全長が伸び、ルーミーに対して90mmも大きくなったのだ。

実は、このソリオの全長拡大こそが実用面における両車の最大の違いにつながっている。具体的にいえば、積載性能に差をつけているのだ。

機内持ち込みサイズのスーツケースを基準に両者のラゲッジルームを比べてみよう。

ルーミーの場合、複数の機内持ち込みサイズスーツケースを積もうと思うと、リアシートを最後端から10cmほど前へスライドして「床上に4つ」となる。

その状態でも後席足元はゆったり広いし、積載量も必要にして十分だ。

一方ソリオは、リアシートスライドを最後部の状態で床上に5つ、さらに床下に1つと合計6つを積載可能。

ソリオのフルモデルチェンジにおける全長拡大はすべてが荷室長の延長に充てられていて、その結果として両車の積載量に差をつけているのである。

これが実用面における両車の最大の差といっていいだろう。

いずれにせよ、両車ともにパッケージングの緻密さに驚くばかりだ。

積載量 使い方ではルーミー優勢?

一方で、シートスライドを活用し、後席に人が座れる状態をキープしたままでの最大積載量ではルーミーが勝る。

その理由はシートスライド幅。ソリオのそれは165mm、ルーミーは240mmとルーミーのほうがシートを前へ出すことができるので、荷室奥行きを広げられるというわけだ。

トヨタ・ルーミー
トヨタ・ルーミー    トヨタ

つまり、後席スペースを最大にした状態での積載量を求めるならソリオ、後席に人が座れる状態での最大積載量を求めるならルーミーを選ぶといい。

また、後席の格納方法にも違いがある。いずれも格納時はフラットな床となるのだが、ソリオがワンタッチで簡単に後席を床下へ格納できる一方で、ルーミーは「背もたれを倒す」と「全体を床下へ沈める」の2アクションが必要で格納/展開の手間が多い。ソリオ優勢だ。

リアシートの左右分割は、ソリオが50:50でルーミーは60:40。いずれも左右独立でスライドと格納がおこなえるので大きな違いはないが、左右非対称のルーミーには狭い側の片側を格納しても(実際にはスペース的にきついが法律上は)後席に2人座れるというピンポイント的な長所もある。

もう1つ、ルーミーが優れているのは床の低さだ。

テールゲート開口部下端の地上高はソリオの665mmに対してルーミーは527mmと驚異的な広さで、これは自転車を積む際などに大きな意味を持つ。

またルーミーの床には反転すると現れる汚れ防止のマットが組み込まれていて、自転車を積む際に重宝する。

記事に関わった人々

  • 工藤貴宏

    Takahiro Kudo

    1976年生まれ。保育園に入る頃にはクルマが好きで、小学生で自動車雑誌を読み始める。大学の時のアルバイトをきっかけに自動車雑誌編集者となり、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。はじめて買ったクルマはS13型のシルビア、もちろんターボでMT。妻に内緒でスポーツカーを購入する前科2犯。やっぱりバレてそのたびに反省するものの、反省が長く続かないのが悩み。

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