【一騎打ち】どっちがいい? 人気者「ルーミー」と先駆者「ソリオ」を比較

公開 : 2021.09.25 05:45  更新 : 2021.10.13 12:01

人気のトヨタ・ルーミーとスーパーハイトワゴンのパイオニア、スズキ・ソリオを比較。優れている点を紹介します。

勢い止まらぬトヨタ・ルーミー

執筆:Takahiro Kudo(工藤貴宏)
編集:Taro Ueno(上野太朗)

トヨタ「ルーミー」が売れている。

毎月の新車販売ランキングを見ると、相変わらずトヨタ「ヤリス」がトップを走る状況が続いているが、興味深いのがそれに続く2位。

トヨタ・ルーミー
トヨタ・ルーミー    トヨタ

登録車(小型車と普通車を対象とし軽自動車は除く)のランキング2番手は、ルーミーという状況が今年に入ってからずっと続いているのだ。

ルーミーは、全長わずか3.7mしかない箱形のコンパクトカー。全高は1.7mを超えてスライドドアを組み合わせる。

小さい車体ながらリアシートをできるだけ後方に寄せて装着することで驚くほど広い後席スペースを用意するパッケージングが特徴である。

それはホンダNボックス」をはじめ軽自動車でもっとも人気を誇るジャンルの「スーパーハイトワゴン」と同じ考え方であり、言うなれば軽自動車よりもひと回り大きな車体を持ったスーパーハイトワゴンだ。

ルーミーはトヨタから販売されている車種だが、開発や生産を担当しているのはダイハツ。OEMモデルとしてトヨタへ供給されている。

同じボディを使う兄弟車としてはダイハツ「トール」やスバル「ジャスティ」が存在。

また以前はトヨタから「タンク」という顔つきなどが異なるデザインの兄弟車も販売されていたが、2020年9月のマイナーチェンジを機にルーミーに統合された。

トヨタ販売店での全車種併売がはじまったことで存在意義が薄れたことが、その理由だ。

ルーミーはソリオをみて誕生

さて、そんなルーミーは現行モデルが初代に相当し、発売されたのは2016年11月(デビューから5年近く経つのに販売が衰えないどころか勢いを増したのが凄い!)。

しかし、ここで注目したいのはコンパクトカーに軽自動車スーパーハイトワゴンの考え方を持ち込んだ車種としてははじめてではないということだ。

スズキ・ソリオ
スズキ・ソリオ

スズキに「ソリオ」というクルマがあり、スライドドアを組み合わせる現在のパッケージングとなったのが2011年1月の2代目デビュー時だった。

そのソリオが、背が高いミニマムサイズのボディに両側スライドドアを組み合わせた2列シートコンパクトカーのパイオニアである。

ルーミーはそんなソリオの成功を見て開発された存在なのだ。

たしかに、それ以前からホンダ「フリード」「モビリオ」やトヨタ「シエンタ」など小さい車体ながら背が高くてスライドドアを組み合わせたモデルも存在した。

しかし、それらは3列車として開発されたミニバンであり、全長は4mを超える。

対してルーミーやソリオは、3列目を考えず後席(2列目)の広さに重点を置いた2列シート車として開発され、全長3.8mを割り込む超コンパクトボディなのがポイントだ。

というわけで、商品企画としては極めて似ているソリオとルーミー。

では果たして、両車の違いはどこにあるのだろうか。実用面を中心にチェックしてみよう。

記事に関わった人々

  • 工藤貴宏

    Takahiro Kudo

    1976年生まれ。保育園に入る頃にはクルマが好きで、小学生で自動車雑誌を読み始める。大学の時のアルバイトをきっかけに自動車雑誌編集者となり、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。はじめて買ったクルマはS13型のシルビア、もちろんターボでMT。妻に内緒でスポーツカーを購入する前科2犯。やっぱりバレてそのたびに反省するものの、反省が長く続かないのが悩み。

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