BMW 2シリーズ・クーペ M240i(G42型)へ試乗 FRキープのモデルチェンジ 後編

公開 : 2021.11.27 08:26

内燃エンジンにFRレイアウトを固持した、BMW 2シリーズ・クーペ。高性能なM240i xドライブを英国編集部が評価しました。

インテリアには3シリーズの香り

執筆:James Attwood(ジェームス・アトウッド)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
G42型へモデルチェンジしたBMW 2シリーズ・クーペ。インテリアへ目を向けると、3シリーズや4シリーズとの結びつきは瞭然。ディティールには変更を受けているものの、ダッシュボードやフロントシート側のパネル類は、共通していることが明らかだ。

といっても、機能的なデザインで装備は充実しており、悪いことではない。空間自体も広々としており、快適に過ごせる。レザー巻きのステアリングホイールと、スポーツシートが2シリーズ・クーペでは標準となる。

BMW 2シリーズ・クーペ M240i xドライブ(欧州仕様)
BMW 2シリーズ・クーペ M240i xドライブ(欧州仕様)

さらにM240iでは、スポーティーさを高めるアルカンターラが贅沢にあしらわれる。Mスポーツ専用アイテムも。

伸びた全長のおかげで荷室容量も増え、390Lへ拡大している。だが、リアシート側の空間は従来どおり限定的。このサイズのクルマとしては充分な広さはあり、大人2名が乗ることはできる。長時間過ごしたいとは思わないかもしれないが。

どうしても2シリーズが欲しくて、リアシートの空間も諦めたくないなら、グランクーペかアクティブツアラーをお選びいただこう。2シリーズ・クーペは、ドライバーのためのクルマ。低い位置のフロントシートに座り、運転を楽しむことに主眼が置かれている。

シートベルトを締めて、エンジンのスタートボタンを押す。華やかという表現がぴったりなサウンドを放ち、3.0L直列6気筒ガソリン・ターボエンジンが目覚める。まさしくドライバーズカー。M240iが、真のクルマ好きによって生み出されたことを実感する。

秀でた動力性能と痛快な操縦性

アクセルペダルの操作に対して、エンジンは鋭く反応。50.9kg-mという豊かなトルクが、僅か1900rpmから湧き出てくる。たくましい動力性能に、気張らずとも浸ることができる。

トランスミッションは8速AT。パワーデリバリーを優先させるようチューニングを受け、シフトパドルの要求どおりに迅速に次のギアを選んでくれる。

BMW 2シリーズ・クーペ M240i xドライブ(欧州仕様)
BMW 2シリーズ・クーペ M240i xドライブ(欧州仕様)

このM240iはxドライブということで四輪駆動だが、基本的には大部分のトルクはリアタイヤへ伝達される。その結果、フロントエンジン・リアドライブの心地よい感覚を、2シリーズ・クーペに与えている。

太められたタイヤのおかげで、グリップ力は強大。ドライバーのより高いパワーと速度域への探究心を、引き出してくれる。

秀でた動力性能のおかげで、M240iは操縦性も痛快。ステアリングホイールの操舵感には理想的といえる重さがあり、積極的に回頭していく。どんなコーナーでも安定しており、落ち着きを失わない。

姿勢制御も素晴らしく、路面の小さな凹凸はアダプティブ・ダンパーが見事に吸収。このサイズの高性能モデルの場合、サスペンションが硬すぎると感じることもあるが、M240iは乗り心地も悪くない。ひたひたと、シャープに走っていく。

ちなみにドライブモードには、エコとコンフォート、スポーツ、アダプティブが用意される。ステアリングのアシスト量やアクセルペダルの反応、トランスミッションの鋭さ、ダンパーの硬さなどを、必要に応じて変えることも可能だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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