ロータス・エヴォーラよ永遠に MR 2+2のグランドツアラー 500kmの旅 前編

公開 : 2021.12.12 09:45

最終的に436psを獲得したGT410

当初搭載していたエンジンは、トヨタ由来の3.5L 4カム自然吸気V型6気筒。ロータスのチューニングで最高出力280psを発揮し、アルミ押出成形材を用いた素晴らしいシャシーに搭載された。

背の高いV6エンジンは軽くなかったが、シャシー中央にマウント。優れた走行性能は、全長4390mmの小さなボディと、比較的長い2575mmのホイールベースというプロポーションが裏付けしていた。

ロータス・エボーラGT410(英国仕様
ロータス・エボーラGT410(英国仕様

技術者が時間を注いだのが、シャシー開発。恐らく、英国の殆どのワインディングは、ロータスの技術者が開発時に攻め込んでいる。

その成果として、ドライバー・フレンドリーなエヴォーラが誕生した。極めて高いコーナリング性能と、完璧といえるステアリングを実現させている。

ロータス・エリーゼと、固定ルーフのエキシージは、サーキットで賞賛を得るために開発された。一方のエヴォーラは、グランドツアラーとしての能力を高めてある。

エンジンは滑らかに回転し、豊かなトルクを発揮。6速MTは高めのレシオで、巡航時に不足ないパワーをタイヤへ伝える。

2011年には、スーパーチャージャーを搭載したエヴォーラ Sが登場。最高出力は355psへ向上し、よりサーキットとの親和性を高めた。従順なテールスライドを引き出しやすくする一方、最高速度は273km/hへ引き上げられた。

スーパーチャージャー仕様は、最終的に436psを獲得。価格も大幅に上昇してしまったが、エヴォーラとして主力の地位を得ていた。運転しやすく、控えめなエアロパーツも魅力だった。今回の試乗車も、そのGT410だ。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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