V6とATはトヨタ由来 ロータス・エヴォーラ 英国版中古車ガイド 信頼できる2+2 前編

公開 : 2023.07.01 08:25

実用的な2+2レイアウトで、軽妙なドライビング体験を味わえるエヴォーラ。英国編集部が中古車で、魅力を振り返ります。

長距離旅行も快適にこなせる2+2のクーペ

ピュアな運転体験に没頭できるロータス・エリーゼの数少ない問題点は、実用性の低さ。サーキットでは比類ない一体感を味わえるものの、荷物は殆ど積めず、今日距離ドライブを快適にこなすことは少々難しい。

そんなお悩みを解消してくれるのが、ロータスエヴォーラ。3セクションのコンポジット・ボディでアルミ製シャシーを包み、2+2のシートレイアウトを備えたクーペだ。これなら、長期休暇の自動車旅行も快適にこなせるだろう。

ロータス・エヴォーラ(2009〜2021年/英国仕様)
ロータス・エヴォーラ(2009〜2021年/英国仕様)

中古車価格は、英国でも2万5000ポンド(約437万円)以上と、簡単に手に届くわけではない。しかし0-100km/h加速5.5秒という俊足と、サーキットを得意とする操縦性、驚くほどしなやかな乗り心地を、親しい数名と共有できる。

V型6気筒エンジンは、信頼性に長けたトヨタ製。ポルシェケイマンより維持費も安い。

エヴォーラの生産は2021年に終了してしまったが、登場以来、深刻な不具合に見舞われたという報告はないようだ。エヴォーラ Sに搭載された、イートン社製のスーパーチャージャーも。

前期型では、トランスミッション・ケーブルが緩むという問題があったが、後期型では対応済み。ドアハンドルの製造品質も改善されている。

長い距離を楽しまれてきた例では、内装にヤレが見られるかもしれない。フロントのアンチロールバー・ブッシュもヘタっているだろう。しかし、その程度といえる。

V6エンジンとATは信頼性の高いトヨタ製

エヴォーラが発売されたのは2009年。トヨタ由来の3.5L V6エンジンをミドシップし、6速MTを介してリアタイヤを駆動した。当初の最高出力は280ps、最大トルクは35.6kg-mが主張された。

2+2のシートレイアウトを備え、ゴルフクラブ・セットを積める大きめの荷室も備わる。フロントシート側の空間には、充分なゆとりがある。ワイドなバンパーに擦り傷をつけても、簡単に交換可能な点もうれしい。

ロータス・エヴォーラ(2009〜2021年/英国仕様)
ロータス・エヴォーラ(2009〜2021年/英国仕様)

サスペンションは前後ともダブルウイッシュボーン式。ビルシュタインのダンパーに、アイバッハのコイルスプリングが組まれている。ブレーキはAPレーシングのアイテム。タイヤはピレリPゼロが標準で、フロントが18インチ、リアが19インチとなる。

初期の特別仕様だったのが、ローンチ・パッケージ。ナビや駐車アシスト、クルーズコントロールがセットになるテクノロジー・パッケージと、ドリルドディスクにスポイラー、スポーツエグゾーストがセットのスポーツ・パッケージなどが同胞されていた。

その後、各パッケージは単体で提供され、クロスレシオ・スポーツMTも用意されている。2010年には、トヨタ由来の6速ATも選べるようになった。走りの楽しさや燃費ではMTの方が有利だが、信頼性でいえばATの方が勝る。

2012年にはマイナーチェンジが施され、6速MTは低抵抗のケーブルへアップデート。初期型の弱点といえた、シフトフィールも改善された。慣性の小さいフライホイールも組まれるようになった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    オリバー・ヤング

    Oliver Young 

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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