アウディQ4 eトロン(3) 長期テスト 片道320kmの旅に挑戦 ワンペダルに慣れる

公開 : 2022.01.08 09:45

純EVでのプレゼンス拡大を狙うQ4 eトロン。電動時代における上級ファミリー・クロスオーバーの魅力を確かめます。

積算4829km 便利な充電ポートの位置

これまで筆者は2台の純EVを長期テストで検証してきたが、充電ポートはフロントノーズかフロントフェンダーに付いていた。そのため、充電スペースにバックで駐車することができなかった。

しかしアウディQ4 eトロンの場合は、ガソリンエンジン車のフィラーキャップと同じ場所に充電ポートがあり、バックで普通に駐車できる。細かなことだが、実際の利便性で大きな違いを生んでいる。

アウディQ4 eトロン 40 スポーツ(英国仕様)
アウディQ4 eトロン 40 スポーツ(英国仕様)

積算6027km Bでのワンペダルドライブ

Q4 eトロンのシフトセレクターをBに倒すと、回生ブレーキが強く掛かり、ブレーキペダルをほとんど踏まずに運転できる。この運転のしやすさに、筆者は慣れてしまっていた。

ところが久しぶりに、慌てて思いきりブレーキペダルを踏むことになったのが、高速道路の合流地点。240km/hくらいは出ていたのではないか、というロールス・ロイス・ゴーストが走ってきたためだ。慣れ過ぎも良くないようだ。

アウディQ4 eトロン 40 スポーツ(英国仕様)
アウディQ4 eトロン 40 スポーツ(英国仕様)

積算6294km 片道320kmの家族旅行

先日、英国東端のノーフォーク州へ片道320kmの旅行をすることになった、筆者一家。最初に選んだのはプライベートのフォードフィエスタだった。普段なら長期テストのクルマで向かうところだが、純EVでの長旅が少し不安だったのだ。

しかし、これまで1か月以上もアウディQ4 eトロンと過ごしている。航続距離480kmの純EVに対して正しい判断ではないと、しばらくしてから考えを改めた。長期テストとして、利便性を確かめている身でもある。

アウディQ4 eトロン 40 スポーツ(英国仕様)
アウディQ4 eトロン 40 スポーツ(英国仕様)

途中の不安は渋滞時のトイレくらい

確かに英国は、まだ公共の充電ネットワークが整ったとはいえない。それでも、移動距離に対して充分そうな航続距離をQ4 eトロンは持っている。

これまでの経験で、純EVの航続距離は冬場に40%近く短くなる場合もあると知っていた。だが天気予報の気温は低くなく、480kmに近い距離を走れると信じることができた。そこで、旅のお供をQ4 eトロンに変更することにした。

アウディQ4 eトロン 40 スポーツ(英国仕様)
アウディQ4 eトロン 40 スポーツ(英国仕様)

渋滞へ巻き込まれないように予定を組んで出発したが、途中のM4号線とA1号線が通行止め。別のルートを迂回することになり、3時間半の予定が5時間も掛かってしまった。土曜日の午前中に、獣医へ犬を連れて行く約束も入れていたのだが。

それでも、Q4 eトロンは滑らかにパワーを路面に伝えながら快走。渋滞区間では、回生ブレーキを一番強くした、ワンペダルドライブの真価を体験できた。ブレーキペダルをほぼ踏まずに済む。

高速道路の走行距離が短かったため平均速度も低く、航続距離は当初の計算より延びた。目的地に到着した時点で、バッテリーの残量は25%。まだ約120km走れる計算になる。途中の不安といえば、渋滞中のトイレくらいだったといって良い。

筆者の自宅にはウオールボックスと呼ばれる純EV用の充電器を備えているが、旅先で借りていたロッジにそんな装備はなし。部屋のコンセントまでケーブルを伸ばし、1晩の充電で蓄えられた充電量は75%だった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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