モーターをVWと同じ最新版へ! アウディQ4 e-トロンへ試乗 効率と距離を伸ばし訴求力上昇

公開 : 2024.05.26 19:05

英国では安定して売れているアウディQ4 e-トロンがアップデート 駆動用モーターをVW ID.7と同じ新ユニットへ置換 電費は5.9km/kWh 航続距離は524km 英国編集部が評価

モーターをVW ID.7と同じ新ユニットへ置換

2021年に発売された、電動クロスオーバーのアウディQ4 e-トロン。実用性が評価され、英国では安定して売れ続けているようだ。

それでも、気がつけば登場から3年が過ぎた。テスラモデルYは価格を引き下げたほか、ライバルモデルは増え続けている。魅力を維持するうえで、定期的なアップデートは欠かせない。

アウディQ4 e-トロン 45 ブラックエディション(英国仕様)
アウディQ4 e-トロン 45 ブラックエディション(英国仕様)

今回、Q4 e-トロンが受けた改良部分は、専らボディの内側にある。僅かにスタイリングへ手が加えられたものの、最大のトピックは、リアアクスルを回す駆動用モーターが、フォルクスワーゲンID.7と同じパワフルな新ユニットへ置換されたことだろう。

駆動用バッテリーは、セルの熱管理と科学的な構成が改められ、エネルギー効率を改善。実容量は従来と変わらない77.0kWhながら、一度の充電で走れる距離も若干だが伸びている。

今回試乗したQ4 e-トロンは、英国仕様の45 ブラックエディション。駆動用モーターはベーシックなシングルで、最高出力は286psに設定されている。

最大トルクは、46.7kg-mから55.4kg-mへ上昇。右足へ力を込めずとも充分速く、本気を出せば0-100km/h加速を6.7秒でこなせるという。最高速度は、180km/hでリミッターが掛かる。

電費は5.9km/kWh 航続距離は524km

サスペンションは、通常のコイルスプリングとダンパーという組み合わせ。快適性や運転の楽しさ、安定感などを高めたとアウディは主張するが、英国仕様のQ4 e-トロンではアダプティブタンパーを選べないそうだ。

ただし、乗り心地は悪いわけではない。基本的には上質さが漂う。それでも、減衰力が可変するドイツ仕様と比較すると、路面の細かな凹凸による影響は受けやすいようだ。

アウディQ4 e-トロン 45 ブラックエディション(英国仕様)
アウディQ4 e-トロン 45 ブラックエディション(英国仕様)

グレートブリテン島のアスファルトの状態が悪いことをご存知なら、アダプティブダンパーのメリットは大きいことも理解できると思う。全体的には低くない、Q4 e-トロンの高級感も一層増したはず。

エネルギー効率を高めたという主張に関しては、概ねうなずける。シングルモーターの45に、77.0kWhの駆動用バッテリーの組み合わせで、カタログ電費は5.9km/kWh。航続距離は、WLTP値で524kmがうたわれる。

今回の試乗では、高速道路や市街地、流れの速い郊外の一般道などを思いのままに走らせて、平均の電費は5.3km/kWh。計算上の航続距離は、408kmという結果になった。

効率重視のエフィシエンシー・モードだけでなく、コンフォートやスポーツも選んだ結果としては悪くはないだろう。もう少し伸びても、良さそうではあるが。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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