いくつかの初期不良 アウディQ4 eトロン(4) 長期テスト OSとソケットのフリーズ

公開 : 2022.03.06 09:45

純EVでのプレゼンス拡大を狙うQ4 eトロン。電動時代における上級ファミリー・クロスオーバーの魅力を確かめます。

積算7116km リアモーターの軽快な走り

アウディQ4 eトロンは、見かけは大きめのSUVだ。だが、その軽快な走りにはいつも驚かされる。

駆動用モーターの、回転直後から立ち上がる太いトルクが生む加速力だけではない。リアモーターというレイアウトも影響している。そのおかげで、想像以上に小回りが効く。純EVという新時代を感じさせる乗り味だと思う。

アウディQ4 eトロン 40 スポーツ(英国仕様)
アウディQ4 eトロン 40 スポーツ(英国仕様)

積算7259km 事前に車内を暖められるうれしさ

真冬の天気が続くロンドンだが、エアコンで予め車内を暖めておける機能が気に入っている。寒い日に車内を暖かくしておくことと、暑い日に涼しくすることとには、まったく別のありがたさがある。

氷の張った窓を溶かす必要がないから、出発の準備を短縮できる。凍える身体を温めてくれる、シートヒーターもうれしい。

積算7402km いくつかの不具合が発生

寒さとは関係ないと思うが、アウディQ4 eトロンのインフォテインメント・システムの調子が狂った。一度フリーズし、自動的にシャットダウンしてしまった。運転支援システムも一緒に。

しばらく経ってからシステムを再起動させると、順調に動いた。ところが後日、またフリーズしてしまった。

アウディQ4 eトロン 40 スポーツ(英国仕様)
アウディQ4 eトロン 40 スポーツ(英国仕様)

実は、長期テストのQ4 eトロンは、スポーツバックの別のグレードへ交換する計画になっていた。だが、今回のインフォテインメントの不調を受け、予定より早めにアウディへ持ち込み、クルマを入れ替えるついでに点検してもらうことにした。

Q4 eトロンを交換する前夜、別の用事があり、ホテルの駐車場で一晩充電してもらった。翌朝クルマへ戻ると、充電ケーブルが外れない。いろいろ試し、ホテルのスタッフにも来てもらったが、結局だめだった。

最終的にわれわれを救ってくれたのは、グーグル先生で検索した、マニュアル。それには、充電器が内蔵されている荷室のカーペット下に、緊急のリリースワイヤーがあると記されていた。

車内側から荷室へ入りリリースワイヤーを

充電している駐車スペースは狭く、テールゲートが開かない。筆者はリアシートの背もたれを倒し、車内側から身体を荷室にねじり込ませ、カーペットを持ち上げてリリースワイヤーへ手を伸ばした。

すると、そのワイヤーもかなりキツイ。ホテルの従業員が小刻みにゆすり、最終的にソケットは無事に外れた。

アウディQ4 eトロン 40 スポーツ(英国仕様)
アウディQ4 eトロン 40 スポーツ(英国仕様)

アウディという上級ブランドでは、あまり体験したくないトラブルだと思う。暗がりのなかで荷室に身体を押し込んだり、硬いケーブルに力を込めるという作業は、プレミアムには似つかない。

充電の済んだQ4 eトロンをディーラーへ走らせ、充電ソケットの不具合も点検してもらった。しかし、インフォテインメント・システムは通常通り機能しており、車載システムにもエラーは残っていなかったようだ。

リコールや無償サービスの対象でもないという。ディーラー側の対応は丁寧だったし、出荷初期の状態にリセットされ、すべて元通りになったようだが、あの不具合がもう発生しないのかという疑問は残った。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

長期テスト アウディQ4 eトロンの前後関係

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