ポルシェ・タイカン 4S クロスツーリスモ vs アルピナB3 ツーリング ワゴン直接比較 前編

公開 : 2021.12.25 09:45

詳細テストで文句なしの高評価を得ている2台。ではどちらがより良いワゴンなのか。英国編集部が比較しました。

近くて対照的なステーションワゴン

ステアリングホイールの応答性、リバウンド時の減衰力特性、ペダルの重み付け。近似するライバルを評価する時、尺度の1つとなってくる項目だ。実際、自動車メーカーは少しでも優れた評価を得るため、細部まで気を抜くことはない。

もちろんそれは、ポルシェアルピナというブランドの比較にも当てはまる。純EVのタイカン・クロスツーリスモや、内燃エンジンのB3 ツーリングという高性能モデルでも。

ブルーのアルピナB3 ツーリングと、ホワイトのポルシェ・タイカン 4S クロスツーリスモ
ブルーのアルピナB3 ツーリングと、ホワイトのポルシェ・タイカン 4S クロスツーリスモ

この2台はハードウエアが大きく異なるものの、価格やスペック表に並ぶ数字は近いところにある。何より、クルマとして目指すベクトルが共通している。AUTOCARに、比較試乗をして欲しいと訴えているかのようだ。

それでいて、伝統対革新、フルコース・ディナー対ヴィーガン・ディナー、つまり、ガソリン対エレクトリックという対局比較という側面も持っている。それぞれの、ベスト同士の。

AUTOCARの詳細テストでは、B3 ツーリングとタイカン・クロスツーリスモは満点の評価を掴んでいる。極めて高水準な対決になることは、いうまでもない。

2022年が始まろうかという今、大枚をはたいて愛車を選ぼうという自動車ファンは、電気自動車を選ぶべきか内燃エンジン車を選ぶべきか。そんな悩ましい疑問の答えも、見えてくるかもしれない。

万能選手的な内燃エンジン・チームの代表

アルピナB3 ツーリングは、G21型3シリーズをベースとした最新型。BMW M謹製の直列6気筒エンジンを搭載した、唯一のアルピナとなる。

動力性能や快適性、操縦性、効率性、実用性などでレーダーチャートを付けると、大きくきれいな多角形を描くはず。ステーションワゴン最速の1台であり、M3よりしなやかで親しみやすい。

アルピナB3 ツーリング(英国仕様)
アルピナB3 ツーリング(英国仕様)

英国価格は、6万7950ポンド(約1032万円)。この内容に、通常の3シリーズとは一線を画す見た目を踏まえれば、高すぎるとはいえないだろう。

車内は広く、舗装の古い道でも疲れ知らず。豪華な車内に身を委ね、安定性に優れたシャシーを活かし、スポーツカーのように楽しめる。内燃エンジン・チームの代表として、これ以上に万能選手的なモデルはなかなか思い当たらない。

対する相手は、タイカン 4S クロスツーリスモ。当初は4を想定していた。英国価格8万1500ポンド(約1238万円)で、B3 ツーリングに適切なオプションを載せた金額と並ぶためだ。

手配できたのは4S。英国価格8万8270ポンド(約1341万円)、最高出力571psで、4より高く速いが、AUTOCARが一目置くベスト純EVであることに変わりはない。バランスや感触に優れ、角が取れた秀逸な高性能モデルでもある。

クロスツーリスモがまとう、シューティングブレーク風のルーフラインに、オフロード感を演出するホイールアーチが、魅力を一層強めている。アイス・グレーという色も良い。

B3 ツーリングはトレードマークのスポイラーに20インチ・クラシック・ホイール、4本出しマフラー、アルピナ・ブルーの塗装で仕立てられている。だが、クロスツーリスモの存在感には及ばない。ガレージに停まっていたら、幸せな気分になるはずだけれど。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ポルシェ・タイカン 4S クロスツーリスモ vs アルピナB3 ツーリング ワゴン直接比較の前後関係

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