日産シルビア EVで復活、可能性が高いといえるワケ

公開 : 2021.12.31 11:05

ZやGT-RよりEV化しやすい?

全固体電池の優位性を存分にいかす「日産EVテクノロジービジョン」ならではの、軽量コンパクトなモデルの筆頭として、2ドアスポーツカーが2028年度に登場する可能性が十分考えられる。

現行の日産モデルで2ドアスポーツカーといえば、「フェアレディZ」と「GT-R」がある。

事業再生計画「日産ネクスト」の中でも、両モデルは日産のスポーツカー精神の象徴として位置付けられており、「フェアレディZ」は新型モデルが登場する。

ただし、新型の型式がZ35ではなく現行のZ34を継承することから、今回の新型がガソリン車としては最後の世代になる可能性も否めない。

また、GT-Rについても、グローバルでEVスーパースポーツモデルが続々と登場し始めた。

その中で、一気にEV化するのか、それともマイルドハイブリッド等を経てEV化なのか?

いずれにしても、フェアレディZもGT-RもフルEV化時代が訪れる可能性は高い。

そうした既存車のイメージの踏襲を気にすることなく、2028年の全固体電池採用の旗頭として、シルビア復活の可能性が考えられるだろう。

フェアレディZやGT-Rに比べて、より幅広い年齢層や男女を問わない商品性のため、グローバル展開しやすいからだ。

そこで気になるのは、内外装のデザインだ……。

「IDxコンセプト」を覚えている?

シルビア復活の話は、2013年の東京モーターショーにもあった。

2ドアスポーツカー「IDxコンセプト」が、初代シルビアや往年のブルバードなど日産デザインを融合させた、かなり野心的な作品だったからだ。

日産IDxコンセプト
日産IDxコンセプト    日産

仮に、シルビアEV登場が2028年だとすると、その15年前に世に出たIDxとのデザイン的な適合性は低いと見るべきではないだろうか。

あえて初代シルビアへの原点回帰をするならば、もっと初代シルビア寄りの総括的なデザインイメージになるはずだ。

または、いまでも根強いファンが多い、S13/S14/S15を意識したデザインイメージだと、軽量コンパクトという「日産EVテクノノロジービジョン」の開発コンセプトとの相性が良さそうだ。

駆動力についても、ベース車がFRで、例えばNISMOはAWDとなり高出力化が見込まれる。

車両価格についても、フェアレディZとGT-Rよりはリーズナブルとなり、現行EVではリーフアリアの中間あたりがイメージしやすいのではないだろうか。

いずれにしても、日産は2030年までに15車種のワクワクするEVを市場導入することは確実な情勢。

その中でシルビア復活の可能性が高まっているという考えを否定する要素は少ない。

近く公表される可能性がある中期経営計画の中で、シルビアという名前が復活することを期待したい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?

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