フェアレディZにシビック・タイプRも 2022年デビュー「スポーツカー」を解説

公開 : 2022.01.29 05:45

フェアレディZにシビック・タイプR。2022年デビューのピュアガソリンエンジンのスポーツカーたちを解説します。

今年はスポーツカーが豊作

はっきり言おう、2022年の国産スポーツカー事情はかなり盛り上がりそうだ。

昨年(2021年)の国産スポーツカーにおける大きな話題といえばスバルBRZ」、そしてトヨタ「GR 86」のデビューだった。

日産フェアレディZ
日産フェアレディZ    日産

いずれも従来モデルに対してパフォーマンスが飛躍的にアップし、走る歓びを感じさせる仕上がりで期待を裏切らないモデル。

そして年末に発表されたスポーツセダンのスバル「WRX S4」も完成度が高く走りが熱い。

その熱も冷めやらぬ2022年。

まず発表された大物は日産「フェアレディZ」だ。同車は年明けに開催された自動車イベント東京オートサロン2022」で日本仕様を初公開。

フロントは初代モデルとなる「S30」型、リアは4代目の「Z32」型へのオマージュとなるデザインもなかなかいいと思う。

注目ポイントはなんといっても心臓。エンジンだ。

形式としては同じV型6気筒だが、従来型のフェアレディZが排気量3.7Lの自然吸気エンジンで336ps(フェアレディZニスモのみ355ps)だったのに対して、新型は排気量3.0Lのターボ付きとなって405ps。

なんと約2割ものパワーアップを果たしているのだから、驚くばかりだ。

史上最強であり、史上最速のZがデビューするのである。

「プラットフォームもボディ骨格も基本設計は先代と同じだから、マイナーチェンジに過ぎない。型式だって『Z34』で変わっていないじゃないか」なんて口の悪い人はいうしたしかにそうだが、細かく言えばパワートレインからシャシーのセットアップまで従来とはまったくの別物と考えるのが正解だ。

史上最強の「Z」がデビュー

日産関係者によると、型式に関しては「書類の作成や、その確認のために試作車(1台あたり数千万円といわれる)で衝突テストを実施する必要があるなど型式取得のためにも膨大なコストが掛かる。それを抑えるために型式を更新しなかった」とのこと。

実際、シャシーは約8割が新設計だというから、単に前後のデザインを変えてエンジンを乗せ換えただけではないのだ。

日産フェアレディZのプロトスペックは700万円弱と発表された
日産フェアレディZのプロトスペックは700万円弱と発表された

トランスミッションは9速ATに加え、もちろんMTも用意。エンジンは「スカイライン400R」と基本的に同じものだが、同車にはないMTでこの官能的なエンジンを楽しめるのだから魅力的だ。

ファーストエディションとして最初に発売される「プロトスペック」は700万円弱と公表されて「そんなの高すぎる」という声も聞かれるが、これは1番上のグレードをベースに特別なインテリアの仕立てなどさらにプレミアムが乗っかったモデル。

通常のカタログモデルは「ベーシックグレードであれば500万円台前半になりそう」だという情報もあるから続報を待ちたい。

正式発表は4月ごろ、発売は6月頃となりそうだ。

新型フェアレディZがお披露目された「東京オートサロン2022」では、ホンダのブースにも今年発売予定のスポーツカーが並んでいた。

シビック・タイプR」である。

2年前のマイナーチェンジでは、限定200台の「リミテッドエディション」だけでなく限定車扱いではない通常のカタログモデルまで完売してしまったシビック・タイプR。

今年その新型がついに登場する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    工藤貴宏

    Takahiro Kudo

    1976年生まれ。保育園に入る頃にはクルマが好きで、小学生で自動車雑誌を読み始める。大学の時のアルバイトをきっかけに自動車雑誌編集者となり、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。はじめて買ったクルマはS13型のシルビア、もちろんターボでMT。妻に内緒でスポーツカーを購入する前科2犯。やっぱりバレてそのたびに反省するものの、反省が長く続かないのが悩み。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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