年式によって禁止です なぜ「黄色ヘッドライト」消えた 濃霧視認性、実は白色と変わらず?

公開 : 2022.02.12 05:45

最近の新モデルには設定されなくなった黄色のヘッドライト。イエローバルブが消えた理由を解説します。

最近見ない? 黄色のライト

クルマの印象を左右するフロントマスク。その中でもヘッドライトはそのイメージを大きく決定づけるポイントといえるだろう。

最近では小型で場所を取らないLEDヘッドライトが主流となり、今までは実現することが難しかった薄くシャープなヘッドライトや特徴的な形状のヘッドライトなど、よりデザインの自由度が増しているのはご存知のとおりである。

黄色いヘッドライトは、現在は装着がNGとなっている
黄色いヘッドライトは、現在は装着がNGとなっている

その一方で、古い車両については丸型や角型の規格ヘッドライトを採用しながらも特徴的なフロントマスクを実現しているモデルも少なくなく、こういった規格型ヘッドライトに近い形状のライトをあえて採用し、クラシカルであったり柔和であったりという印象を与えているモデルも存在しているほどだ。

そんな自由度の高まったヘッドライトではあるが、実は自由にならない点もある。

それがヘッドライトの「色」である。

古いフランス車などではよく見ることがあった「イエロー」のヘッドライト。

実はこの黄色いヘッドライトが、現在は装着がNGとなってしまっているのである。

そのため、いくらクラシカルな雰囲気を出そうとしてもイエローのヘッドライトを持った新車が登場することはないのだ。

といっても過去に新車で販売されたイエローバルブ装着車はNGとなることはない。

ではいつからイエローバルブがNGとなったのだろうか?

2006年 OK/NGの分かれ目

実はイエローのヘッドライトがNGとなったのは2006年からと意外と最近の出来事。

それまでの規定では「前照灯(ヘッドライト)の灯光色は白色または淡黄色」となっており、イエローバルブでもまったく問題なかったのだが、2006年1月1日からは「前照灯(ヘッドライト)の灯光色は白色」と「淡黄色」の表記が削られているのである。

日産シーマ
日産シーマ

ちなみに法改正がなされたのは2002年6月のことで、猶予期間を持たせた後に施行となったため2006年1月1日がスタートとなっているわけだ。

なおこの施行日は、これ以降イエローバルブの装着がNGという意味ではなく、2006年1月1日以降に生産された車両についてはNGという意味であり、2005年12月31日までに生産されたモデルであれば、現在でも継続してイエローバルブのヘッドライトを装着していても合法ということになる。

そのため、同じ車種であっても生産のタイミングでOKな車種とNGな車種が存在しているため、初年度登録が2006年1月の車両に乗っているユーザーは要注意といえる(車両の製造年月日はメーカーに問い合わせれば教えてくれることがほとんど)。

またNGとなったのは前照灯、つまりヘッドライトのみであり、補助灯(フォグランプ)は年式を問わずイエローバルブの装着はOKとなるし、ヘッドライトにイエローのフィルムを貼っていたとしても、光自体が黄色にならなければ問題ないということも覚えておきたいポイントだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    小鮒康一

    Koichi Kobuna

    1979年生まれ。幼少のころに再放送されていた「西部警察」によってクルマに目覚めるも、学生時代はクルマと無縁の生活を送る。免許取得後にその想いが再燃し、気づけば旧車からEV、軽自動車まで幅広い車種を所有することに。どちらかというとヘンテコなクルマを愛し、最近では格安車を拾ってきてはそれなりに仕上げることに歓びを見出した、尿酸値高い系男子。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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