純EV市場へ本気の第1弾 新型トヨタbZ4X 四輪駆動のプロトタイプへ試乗 後編

公開 : 2022.02.26 08:26  更新 : 2022.04.15 07:32

不足ない実力ながら価格と航続距離に依存

プロトタイプの試乗となったが、トヨタ渾身の純EV、bZ4Xはこのクラスのクロスオーバーとして不足ない実力を備えているように感じた。乗り心地も良く、インテリアの設えも良好。トヨタだから、信頼性にも不安はないだろう。

それでは、各メーカーがしのぎを削る市場に影響を及ぼせるだけの仕上がりだろうか。それは、販売価格と航続距離によって変わってきそうだ。

トヨタbZ4X AWDプロトタイプ
トヨタbZ4X AWDプロトタイプ

今のところ、bZ4Xの正式な航続距離は明らかになっていない。暫定値として知らされた数字の限り、ややもの足りないとはいえる。英国価格も、月額のリースパッケージが用意されるとはいえ、少々高めだ。

四輪駆動のbZ4Xの場合、英国では4万8350ポンド(約749万円)から。一度の充電で480km以上走れる四輪駆動のキアEV 6の方が安い。

それだけに、今回は機会がなかったが、エントリーグレードとなる前輪駆動のbZ4Xへの期待が高まる。動的能力が四輪駆動を上回ることはないとしても、航続距離と価格競争力は良くなるはず。トヨタの純EV戦略を、強力に後押しできるのではないだろうか。

トヨタbZ4X AWDプロトタイプのスペック

英国価格:5万1550ポンド(約799万円/試乗車/予想)
全長:4690mm
全幅:1850mm
全高:1650mm
最高速度:161km/h
0-100km/h加速:6.9秒
航続距離:410km以上(予想)
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:−
パワートレイン:ツインAC同期モーター
バッテリー:71.4kWh
最高出力:218ps
最大トルク:34.2kg-m
ギアボックス:シングルスピード

記事に関わった人々

  • 執筆

    ニール・ウィン

    Neil Winn

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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