プジョー208 1.6 e-HDi アリュール

公開 : 2012.06.14 17:02  更新 : 2017.05.29 19:01

■どんなクルマ?

きわめて重大なプジョーの新しいスーパーミニ、208の英国仕様モデルが正式にリリースされた。まずは、最も英国で人気のモデルとなるであろう、ライトハンド・ドライブ・モデルの1.6リッター91bhpのディーゼル・エンジンを持つe-HDiをテストした。

208には、旧い207から受け継がれたオーバーホールされたPF1プラットフォームが使われている。したがって、208のスタイル、キャビン、そしてエンジンはすべて一新されているが、メカニカルはそうではない。サスペンションは、フロントがマクファーソン・ストラット、リアがトーション・ビームというもので、スーパーミニのスタンダードな組み合わせだ。

しかし207から100kg以上、乾燥重量を減らしたことは喜ばしいことだ。そして、それは208のパフォーマンスとハンドリング、そして燃料効率に大きく寄与することとなる。

■どんな感じ?

ヨーロッパを舞台とした以前のテストで、207に対する大きなパワー・アップが、ドライビング・クオリティとダイナミクスの向上に繋がっていることがわかった。確かに、208や207や206よりも非常に魅力的なクルマに仕上がっている。

われわれのテストした”アリュール”スペックのモデルは均整のとれたルックスで、207がこれまで成し遂げられなかった成熟し且つ洗練されたメーカーというプジョーのステータスを取り戻すことに成功している。

サテン・フィニッシュの明るいインテリアをはじめ、そのアウターパーツも含めて、すべてがいい状態で仕上げられている。その結果、208はあなたが望むクルマになっているとも言える。

しかし、本当に細かいところまで精査してみると、スーパーミニのベストのクオリティが保たれているとまでは言えない。センター・コンソールの足元とステアリング・コラムまわりに、フォルクスワーゲン・ポロホンダ・ジャズのような、固くでラフなプラスティック・パーツが使われている。また、ドアの内側も同様だ。尤も、それを許すことができるのであれば、キャビンは総じて快適だ。ステアリング・ホイールの上部に整列している計器類もまったく問題はない。

典型的なシティ・ドライブにおいては、高いペダル位置と、弛んだギアシフト、いらいらするクラッチ、そして粘着性があってセルフ・アライニング・トルクの少ないパワー・ステアリングはドライブを愉しませてはくれないが、という注釈は付くが、208は間違いなく良いクルマだ。

中規模以上のパンプの吸収は良くないが、このクラスとしては乗り心地は総じて良い部類に入る。また、コンパクトハッチとして非常に静かで、ハンドリングも素晴らしい。

■「買い」か?

クラス・オーダーを急激に変えるほどではないが、208はプジョーのスーパーミニにおける地位を引き上げることに成功した。但し、その総合力においては、フィエスタ、ポロ、ジャズよりも上位にすることは難しいかもしれない。

ただし、そのスタイリングに魅力を感じるのであれば、その差は実質上、気にならないレベルということができるだろう。

(マット・ソーンダース)

プジョー208 1.6 e-HDi アリュール

価格 17,845ポンド(220万円)
最高速度 185km/h
0-100km/h加速 12.2秒
燃費 26.3km/l
Co2排出量 99g/km
乾燥重量 1090kg
エンジン 4気筒1560ccターボ・ディーゼル
最高出力 91bhp/4000rpm
最大トルク 23.5kg-m/1750rpm
ギアボックス 5速マニュアル

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