ガヤルドと親戚関係 アウディR8(初代) 英国版中古車ガイド 今後の価値上昇も

公開 : 2022.03.16 08:25

時間の経過とともに価格上昇の可能性も

アウディR8は、グランドツアラーとスーパーカーとを、高い次元で両立させていた。現在の中古車価格で並べる実力を持つモデルは、探してもほぼ見つからない。

運転の興奮度合いでは、ポルシェ911 ターボの方が上かもしれない。それでも、アウディのミドシップ・スーパーカーは、ブランドのフラッグシップにふさわしい完成度を備えていた。

アウディR8(初代/2006〜2016年/英国仕様)
アウディR8(初代/2006〜2016年/英国仕様)

英国市場には、充分に乗れる状態のR8が3万2000ポンド(約496万円)前後から流通している。スーパーカーとして考えれば、最もお手頃なモデルといって良い。現在の価格は低水準にあり、維持管理が良ければ、時間の経過とともに上昇していくだろう。

V8エンジンでもV10エンジンでも、R8の訴求力は変わらない。検討するなら、今がチャンスといえる。

新車時代のAUTOCARの評価は

ガラスカバーの内側にV8エンジンを宿す、ミドシップ・スーパーカーの基礎骨格を持ちながら、アウディR8の走りはより身近なスポーツカーに近い。

強大なコーナリング・グリップを備え、機敏に身をこなす。それでいながら、高速走行時の質感は印象的なほどで、快適とすら表現できる。グランドツアラーとしての素質にも優れている。

アウディR8(初代/2006〜2016年/英国仕様)
アウディR8(初代/2006〜2016年/英国仕様)

もし既にオーダー済みなら、素晴らしい判断だったといえる。アウディR8は、2007年のベスト・バイ・スーパーカーだ。 (2007年1月14日)

専門家の意見を聞いてみる

アレックス・グリーン氏:ファウンテン・モータース社代表

「アウディR8が英国へ上陸した2007年以来、販売やメンテナンスを手掛けてきました。それ以来、R8には魅了されっぱなしです」

アウディR8(初代/2006〜2016年/英国仕様)
アウディR8(初代/2006〜2016年/英国仕様)

「変化が激しい世界にあって、まだ登場から20年も経過していませんが、R8はネオクラシックとしての地位を築き始めています。そのことで、改めて好感を持つようにもなりました」

「一部の部品や作業は高額な場合もありますし、丁寧に定期的なメンテナンスをこなす必要があります。それでも、その投資に見合う固有の体験が得られます」

「走りが素晴らしいだけでなく、長時間鑑賞できる美しさも備えています。ベスト・コンディションなら、クラシックとして長く所有する価値は間違いなくあります。これまでのアウディで、最高のクルマといえるでしょうね」

知っておくべきこと

R8 V10プラスが登場する前に、アウディは限定仕様のGTを2011年に販売している。英国へ導入されたのは33台で、5.2L V型10気筒エンジンは560psという高い出力を発揮した。トランスミッションは、Rトロニックが組まれていた。

新車時の英国価格は14万2585ポンドだったが、現在はかなりお手頃に探せるようだ。さらに、GTスパイダーも2012年に限定生産されている。

アウディR8 V10 スパイダー(初代/2010〜2014年/英国仕様)
アウディR8 V10 スパイダー(初代/2010〜2014年/英国仕様)

2014年には、R8 LMXも登場している。限定99台で、アラ・ブルーという特別色で仕立てられていた。こちらは一層パワフルで、570psを発揮し、新車時の価格は16万25ポンド。量産車としては初めて、レーザー・ヘッドライトが標準装備されていた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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