2200psと399km/hのハイパーカー デウス・ヴァイアン ニューヨークで発表 限定99台

公開 : 2022.04.14 08:50

オーストラリアの新興メーカー、デウス社が純EVハイパーカーを発表。最高速度は399km/hがうたわれています。

最高出力2200ps、最大トルク203.5kg-m

オーストラリアの新興自動車メーカー、デウス社は、2022年のニューヨーク・モーターショーで新しい純EVハイパーカーを発表した。その名は、ヴァイアンだ。

これは、イタリアのデザイン企業、イタルデザイン社と、英国のエンジニアリング企業、ウィリアムズ・アドバンスト・エンジニアリング(WAE)社との共同開発によるもの。コンピューター上では、最高出力2200psと最大トルク203.5kg-mが想定されている。

デウス・ヴァイアン・プロトタイプ
デウス・ヴァイアン・プロトタイプ

この数字が実現すれば、最高出力1904psのピニンファリーナ・バッティスタや、1941psのリマック・ネヴェーラを凌駕。まだプロトタイプながら、ロータスエヴァイヤの1950psよりもパワフルなことになる。

デウス社によれば、最高速度は399km/hに達するとのこと。0-100km/h加速は、1.99秒だという。

運転席の座面は地上からわずか120mmという低さ。快適でラグジュアリーな乗り心地や、ハイパーカー・クラスとしては秀でた日常的な使いやすさが特長だとしている。

秀でたデザインと機能性、最新技術を融合

ヴァイアンのスタイリング・テーマは、シンメトリーとインフィニティ(対象と無限)。フロントとリアのグリル部分の造形は確かに共通しており、テールライトは無限ループ(メビウスの輪)を表現している。

インテリアは、白と黒が基調。ダッシュボードには、完全にデジタル化されたモニター式のメーターパネルと、インフォテインメント用モニターが据えられる。

デウス・ヴァイアン・プロトタイプ
デウス・ヴァイアン・プロトタイプ

また、デウス社がインフィニティ・ミラーと呼ぶ、新しい機能も備わるという。詳細は不明ながら、自動車業界初となる技術で、車内からの視界を大幅に向上させるそうだ。

デウス社のデザイン部門トップ、エイドリアン・フィリップ・ブトゥカ氏は、次のように述べている。「デウスのデザインは、単なる見た目だけではありません。ブランドの信念を反映させた、コンセプトそのものです」

「秀でたデザインと機能性を融合させ、純EVハイパーカー・セグメントにおける最新技術が盛り込まれています。この調和を表現するものとして、ヴァイアンの対称的で幾何学的なスタイリングが導かれています」

3社共同プロジェクトで99台限定

ヴァイアンは、2021年にイタルデザイン社とWAE社が提唱した、「ターンキー」パッケージをベースにすると考えられる。これは、純EVを構成する駆動用バッテリーやモーター、シャシーなどの部品がパッケージ化されたもの。

クロスオーバーやサルーン、グランドツアラーに適するとされ、アルミニウムとリサイクル複合素材を積極的に用いている。駆動用モーターは2基から4基、駆動用バッテリーは最大160kWhまで搭載可能だという。航続距離は、最長998kmが主張されている。

デウス・ヴァイアン・プロトタイプ
デウス・ヴァイアン・プロトタイプ

デウス社は新技術を統合するに当たり、イタルデザイン社から戦略面と技術面でのサポートを受けたと話している。またWAE社からは、高度な電動化技術を提供してもらったという。

デウス・ヴァイアンの価格などは明らかになっていないが、生産数は99台の限定とのこと。納車は2025年からが予定されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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