ポルシェの魅力を1つに凝縮 ガンザーワークス993 スピードスター・リマスタードへ試乗 前編

公開 : 2022.05.13 08:25

アナログなクルマでドライビング体験を拡張

回頭性を高めるために、フロントには幅295という驚くほど太いタイヤが履かされている。「古い911はスローイン・ファストアウトですが、これはファストイン、ファストアウトです」。とナムが説明する。

キャビン前後のバルクヘッドは強化され、サイドシルは2重構造になっている。993 スピードスターの場合でも、通常の993型クーペよりねじれ剛性は強いという。

ガンザーワークス993 スピードスター・リマスタード(北米仕様)
ガンザーワークス993 スピードスター・リマスタード(北米仕様)

993 クーペの場合、ボディへ固定されたロールケージを組むことができる。スピードスター以上に剛性が高まるため、選ぶのも悪くないだろう。

インテリアは、ガンザーワークス社の職人が丁寧に仕上げる。技術水準は非常に高く、隅々まで美しい。フロントの荷室空間やエンジンルームまで、スキはない。

993 スピードスターの英国価格は、65万ポンド(1億855万円)以上。カーボンファイバー製フレームが支えるフロントガラスや、ルーフレス・オプションも選択できる。これだけの金額のクルマを注文できる人は、晴れた日にしか乗らないという選択ができる。

リアに搭載される水平対向6気筒は、自然吸気の4.0L。最高出力441psを発揮し、1t当たりの馬力は357psとなる。

優れたパワーウエイトレシオだけが魅力ではないと、ナムは話す。特別なフィーリングを得るために200km/hで走らなければならない、現代のスーパーカーとは違うという。

「アナログなクルマを選び、ドライビング体験を拡張するべく、最新の技術を投入しています」。その仕上りを、実際に確かめさせていただいた。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・プライヤー

    Matt Prior

    英国編集部エディター・アト・ラージ
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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