マクラーレン 新型アルトゥーラGT4発表 サーキットに特化した軽量レーシングモデル

公開 : 2022.06.22 06:05  更新 : 2022.11.04 13:52

マクラーレンは、ハイブリッド・スーパーカーのアルトゥーラをベースとした、車重約1200kgのGT4マシンを公開しました。

最新世代のGT4マシン 「素」のV6エンジン搭載

マクラーレンは、スーパーカーのアルトゥーラをベースとした新型レーシングカー「アルトゥーラGT4」を発表した。これまでさまざまなレースで活躍している570S GT4の後継となる軽量マシンである。

アルトゥーラGT4は、GT4レースの仕様に合わせて設計・製造されたサーキット専用モデル。6月23日から英国で開催される自動車イベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で一般公開される予定だ。

マクラーレン・アルトゥーラGT4
マクラーレン・アルトゥーラGT4    マクラーレン

外観はベースのアルトゥーラと似ているが、その中身は大きく異なる。カーボンファイバー製シャシータブを採用し、車重は約200kg軽い1200kgを実現。これは現行のマクラーレン570S GT4よりも100kg軽い。

また、機械式リミテッドスリップデフ、高耐久のブレーキシステム、720S GT3に似たステアリングホイール、調整式ペダルボックスなど、レースに焦点を当てた改良が施されている。

公道モデルとの共通点としては、最高出力584psの3.0L V6ツインターボエンジンが挙げられる。しかし、GT4のレギュレーションにより、96psの電気モーターは取り除かれている。また、最大出力を制限するバランス・オブ・パフォーマンス(BoP)システムによって出力が制御される。

トランスミッションは、ベースの8速DCTとは異なり、新たにショートレシオの7速トランスミッションが採用された。

競技に特化した軽量スーパーカー 価格は?

独自のフロントスプリッター、カナード、ボンネットダクト、そして7段階の角度設定が可能なリアウィングなど、ダウンフォースの最大化が図られている。こうしたエアロパーツはデザインにも大きな影響を与えている。

しかし、こうした特徴にもかかわらず、マクラーレンは、アマチュアとプロの両ドライバーに「究極のドライバー・エンゲージメント」を提供することを目指し、扱いやすさに重点を置いたとしている。

マクラーレン・アルトゥーラGT4
マクラーレン・アルトゥーラGT4    マクラーレン

アルトゥーラGT4の価格は20万ポンド(約3300万円)から。すべて受注生産となる。

マクラーレンによれば、「さまざまな競技やサーキット環境をサポートする」包括的なオプションが用意されているという。助手席の装着、タイヤ空気圧モニター、衝突回避レーダーシステム、ナイトレース用の追加ライト、ドリンクシステムなどを選べるそうだ。

マクラーレンのモータースポーツ部門ディレクターであるイアン・モーガンは次のように述べている。

「アルトゥーラGT4は、マクラーレンのモータースポーツ部門がゼロから開発した2台目のレーシングカーです。革新的な新型マクラーレン・アルトゥーラをベースとしたこのマシンは、従来の570S GT4から大きく進化しています」

「軽量化、正確さを極めたハンドリング特性、耐久性の向上、パッケージングと効率の向上、新しいV6パワートレインによるパッケージングと効率の利点、高い整備性により、アルトゥーラGT4は新しい基準を打ち立てることになるでしょう」

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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