新たな電動クロスオーバー ジャガー、2025年までに3台の新型EV発売 ブランド再興目指す

公開 : 2022.06.29 19:05

今後10年ですべてが生まれ変わる?

ジャガーの再編に伴い、新しいプラットフォーム、コネクティビティや自動運転機能に関するパートナーシップ、さらには英国での生産体制など、幅広い面で「変革」が進むと考えられる。

まず、「パンテーラ」と呼ばれる新プラットフォームは、個性的なデザインの実現を可能にするとともに、最先端のパワートレインや車載技術にも対応する。次世代のモーター技術、800Vの充電アーキテクチャ、コネクティビティ、高度な自動運転機能などの導入が期待される。

ジャガーが現在販売するEVは、2018年に発表されたIペイスのみ。
ジャガーが現在販売するEVは、2018年に発表されたIペイスのみ。

このプラットフォームは、JLRのエンジニアと、ジャガーIペイスを製造する自動車用品大手マグナが共同開発する予定だ。JLRは今後、プラットフォームの「共通化」を進めようとしているため、パンテーラのコンポーネントの重要性はさらに高まるかもしれない。

持続可能性とコネクティビティ

ジャガーの新型車は、環境負荷が低くなるように設計され、石油を原料とする製品の使用を避けた「持続可能」な素材を使用することになるようだ。例えば、ウールやシルク、リサイクルファブリックから作られたカーマットのほか、セラミックや石、ガラスでできたインテリアトリムなどだ。

先述のプラットフォームはアルミニウム製で、こちらもリサイクル素材から作られる可能性が高く、古い飲料缶などが使われるかもしれない。

今や高級車ブランドにIT技術の活用と持続可能性は欠かせない要素となっている。(写真はジャガーIペイス)
今や高級車ブランドにIT技術の活用と持続可能性は欠かせない要素となっている。(写真はジャガーIペイス)

あるアナリストは、「プレミアムはグリーンとは切り離せない」と語っている。

コネクティビティの強化

コネクティビティも重要な要素だ。JLRはIT大手Nvidiaと協力して、クラウド接続機能(クルマと周辺環境からのデータ収集、および有料サービスの配信)および自動運転機能を備えたソフトウェアを開発中だと発表している。

JLR戦略ディレクターのフランソワ・ドッサは今年初め、次のように述べた。

「重要なのは、すべてのOEMがそれぞれ異なるエレクトロニクスを持っているということです。わたし達はEVAと呼んでいます。これは非常に洗練されたアーキテクチャで、Nvidiaと当社の技術を統合するつもりです」

英国での生産体制に変化も

ジャガーは、英国に拠点を置くサプライヤーからバッテリーを調達することも試みているようで、エンビジョンAESCと提携する可能性を示唆する報道があった。エンビジョンAESCはすでに日産自動車向けにバッテリー工場を建設している。

ジャガーのバッテリー工場は、イングランド北部のティーズサイドにある製鉄所跡地に建設される可能性がある。ただし、フィナンシャル・タイムズ紙の報道によると、バッテリー関連のパートナー企業については「最終的な決定はされていない」という。

ジャガーの生産工場は現在、ウェスト・ミッドランズに位置するソリハルという町にある。
ジャガーの生産工場は現在、ウェスト・ミッドランズに位置するソリハルという町にある。

また、EVをどこで作るかという問題だが、1つの可能性として考えられるのは、既存のソリハル工場の拡張である。現地メディアでは、同工場に隣接するフットボール・クラブの敷地が拡張に利用できるかもしれないと報じている。

バーミンガム空港にほど近いソリハル工場は、飛行機での人の往来も容易であろう。ただし、ソリハルの拡張計画が本当にジャガーの新型車生産のためのものであるかどうかは、今のところ確認されていない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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