オシャレにイメージ一新 ヴォグゾール(オペル)・アストラ・スポーツツアラーへ試乗

公開 : 2022.07.31 08:25

落ち着きがあり快適な乗り心地のPHEV

PHEVは、1.6L 4気筒ガソリンエンジンに110psの駆動用モーターが組み合されたシステム。駆動用バッテリーの容量は、12.4kWhとなっている。充電は、一般的な家庭用充電器で2時間程度で済むという。

最長67kmまで駆動用モーターのみで走行可能で、スピードは135km/hまで対応。目立って速いわけではないが、滑らかな走りを享受できる。CO2の排出量は25g/kmと低く、英国では税金面でも有利だ。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ・スポーツツアラー(英国仕様)
ヴォグゾールオペル)・アストラ・スポーツツアラー(英国仕様)

一方、駆動用バッテリーが載ることで荷室容量は81L小さくなる。トリムグレードは、最もスポーティなGSラインしか選べず、価格も高い。現代的なPHEVとして効果を発揮するには、こまめな充電が必要になる。

とはいえ、PHEVはアストラ・スポーツツアラーでは最も速い。車重は一番重いものの、乗り心地には落ち着きがあり快適。走行時の上質さでは、フォルクスワーゲン・ゴルフ・ヴァリアントなど、Cセグメントのベンチマークに並ぶ。

人気は下火傾向ながら、長距離クルージングのメリットで有利なのがディーゼルエンジン。低回転域から太いトルクを発生し、丁度いい速度域で、効率に優れる回転数を保てる。8速ATとの相性も良いようだ。

カラカラというディーゼル特有のノイズは、車内へは殆ど届かない。高速道路を穏やかに流せば、22.0km/L近い好燃費も得られる。最大で1500kgまで可能な、牽引能力もうれしい。

一番人気は130psの3気筒ガソリンターボ

ヴォグゾールが最も英国で売れると予想するエンジンが、130psの3気筒ガソリンターボ。今回の試乗ではドイツのアウトバーンから、のどかな郊外まで様々なルートを走らせてみたが、能力に不足を感じることはなかった。

エンジンは高負荷時にノイズを高めるが、3気筒らしい個性的な音で、不快なほどではない。多くの人が想像するより、うるさくないといっていい。8速ATの仕事ぶりも、その静かさに貢献している。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ・スポーツツアラー(英国仕様)
ヴォグゾール(オペル)・アストラ・スポーツツアラー(英国仕様)

6速MTも選択できるが、シフトフィールが気持ち良いと感じるほどではない。軽快さより落ち着き側に振られたシャシー特性と相まって、クルマとの一体感を高めてくれるともいえない。

アストラ・スポーツツアラーのシャープなスタイリングから想像するほど、身軽なコーナリングは楽しめないかもしれない。しかし、ファミリーワゴンとして考えれば、特に不満は出ないと仕上がりだと思う。

ヴォグゾール(オペル)・アストラ・スポーツツアラー 1.2ターボ GSライン(英国仕様)のスペック

英国価格:2万5870ポンド(約432万円)
全長:4642mm
全幅:1860mm
全高:1480mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:10.0秒
燃費:17.5-17.9km/L
CO2排出量:126-129g/km
車両重量:1320kg
パワートレイン:直列3気筒1199ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:130ps/5500rpm
最大トルク:23.3kg-m/1750rpm
ギアボックス:6速マニュアル

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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