先端技術満載で公道走行可能 メルセデス・ベンツ・ビジョンEQXX コンセプトへ試乗 航続1126km以上 前編

公開 : 2022.08.08 08:25

244psのシングルモーターで車重1755kg

ビジョンEQXXの出発点となったのが、メルセデス・ベンツEQBのプロトタイプ。通称「エマ」というクルマだった。2021年に製作され、最新のドライブトレインやソフトウエア、パッケージング、耐久性、エネルギー効率の試験に用いられている。

プラットフォームは、メルセデス・モジュラー・アーキテクチャ(MMA)と遠い親戚関係にあるという、専用開発のもの。なお、MMAは2025年前後に発売となる、EQCなどへ採用される。

メルセデス・ベンツ・ビジョンEQXX コンセプト
メルセデス・ベンツ・ビジョンEQXX コンセプト

EQXXは、全長が4977mm、全幅1870mm、全高1350mmというサイズを持ち、現行のCクラスより226mm長く、50mm広く、105mm低い。一方でホイールベースは40mm短い、2800mmとなっている。

ボディ構造には高張力鋼板が用いられ、ドアはカーボンファイバー製、ブレーキディスクには特殊なアルミニウムが採用されている。駆動用モーターも、重さを意識し1基のみ。多様な軽量化対策の結果、車重は1755kgに抑えられた。

その駆動用モーターも、メルセデス・ベンツの高性能パワートレイン部門によって開発された、特別な永久磁石同期ユニット。最高出力は244psを発揮する。後輪駆動で、シングルスピードのトランスミッションが組まれている。

仕様の確認はこのくらいにしておこう。さて、運転席側のドアは大きく開く。全高は抑えられているが、見た目以上に乗り降りしやすい。

フロントシートはハードシェルで支えられ、クッションはソフト。フラットで、横方向のサポート性は期待できない。着座位置が低い一方、ペダルの取り付け位置は高めで、ドライビングポジションはスポーツカー・ライクだと感じた。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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