一層パワフルでラウド ランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテ 666psの試作車へ試乗

公開 : 2022.08.25 08:25

タイトコーナーで際立つ違い

同社の最高技術責任者、ルーヴェン・モール氏の話では、操縦性を向上させた要素はパワーアップ以外の部分が大きいという。シャシーレスポンスも明らかに改善されている。

エアスプリングを装備する通常のウルスと乗り比べると、タイトコーナーで違いが際立つ。アンダーステアで流れてしまう区間を、プロトタイプのペルフォルマンテは見事に克服していた。サイズやウエイトを打ち消す勢いで、イン側に食らいついてみせた。

ランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテ・プロトタイプ
ランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテ・プロトタイプ

後輪操舵システムも改良を受けており、コーナーへの進入時には積極的にボディを回転させてくれる。旋回で負荷が高まると、電子制御システムとスチールコイルがタイトに姿勢を制御。アクセルペダルでの積極的なライン調整も可能だ。

技術者のモールは、より深刻な速度域でペルフォルマンテの実力が示されると説明する。確かに、サーキットではドライバーの気持ちをそそり、自ずとスピードは高まりがちだった。

穏やかなコルサ・モードを選択すると、エアサスペンションのウルスなら、しなやかな乗り心地を享受できる。ペルフォルマンテの硬いスチールコイルが、一般道の速度域と舗装でどんな仕事ぶりを発揮するのかは、改めて確認するしかない。

車高は低められ、23インチという大径ホイールを履いている。防音材も少ない。

車内のラグジュアリーさは失わず

年間の生産台数や収益性の面で、ランボルギーニ史上最も成功を収めたモデルとなるのが、SUVのウルスだ。ペルフォルマンテは、その功績をさらに伸ばすために設定されたといっていい。

パワーアップ度合いは小さいとはいえ、動的能力や鋭い個性は大幅に高められている。まだ、プロトタイプの状態だとしても。

ランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテ(欧州仕様)
ランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテ(欧州仕様)

充実した装備や、突出した車内のラグジュアリーさは失われていない。ペルフォルマンテ専用のスポーツ・バケットシートは、コーナリング時の強い遠心力でも身体を支えてくれるのと同時に、座り心地も良かった。

ランボルギーニのCEO、ステファン・ヴィンケルマン氏は、ペルフォルマンテがウルスの販売台数の半数以上を占めると予想する。洗練性は低下しつつ、大幅に価格は上昇する。超高性能SUVというモデルは、筆者の理解を超えたクルマのようだ。

ランボルギーニのSUVを求める人は、穏やかなモデルを嗜好する人とは異なる。よりパワフルでマッシブなウルスは、より多くの訴求力を獲得すると考えて良いだろう。英国価格は、17万260ポンド(約2809万円)からがアナウンスされている。

ランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテ・プロトタイプのスペック

英国価格:17万260ポンド(約2809万円)
全長:5112mm
全幅:2016mm
全高:1638mm
最高速度:305km/h
0-100km/h加速:3.3秒
燃費:−
CO2排出量:−
車両重量:2150kg
パワートレイン:V型8気筒3996ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:666ps/6000rpm
最大トルク:86.2kg-m/2300rpm
ギアボックス:8速オートマティック

記事に関わった人々

  • 執筆

    マイク・ダフ

    Mike Duff

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

おすすめ記事

 

ランボルギーニの人気画像