フルサイズ・ピックアップもEVに フォードF-150 ライトニングへ試乗 580psで515km

公開 : 2022.10.05 08:25

航続距離515km 求める仕事を不満なくこなす

ラダーフレームの中央に搭載される駆動用バッテリーの容量は、131kWhもある。たくましい走りのエネルギー源というだけでなく、電動工具の電源にもなる。それを前提に、コンセントが各部に設けられている。

フロントのボンネットを開くと400Lの荷室があり、リアの荷台に積むボックスの代わりになる。テールゲートは電動で開閉もする。もし災害で停電しても、走る蓄電池として外部給電することも可能だ。

フォードF-150 ライトニング・ラリアット・エクステンデッドレンジ(北米仕様)
フォードF-150 ライトニング・ラリアット・エクステンデッドレンジ(北米仕様)

F-150 ライトニングが、英国や日本の道では大きすぎることは間違いない。しかし、このサイズの中型トラックとして考えれば、少しワイドだとはいえ、求める仕事を不満なくこなせる能力は備えている。

航続距離は515kmがうたわれる。駆動用バッテリーの電気でチェーンソーを動かしたり、荷物を積んだトレーラーを引っ張れば、もちろん走れる距離は短くなるだろう。どの程度影響があるのかは、試してみなければわからないが。

106.9kg-mの最大トルクを活かし、最大4.5tまでトレーラーを牽引できる。牽引時のドライバーを走行中に助けてくれる、トレーラーアシストと呼ばれる機能も備わる。多彩な運転支援システムの1つとして。

北米のBEV市場で存在感を示すことに成功

フルサイズのピックアップトラックが、英国へ正規に輸入される可能性は低いだろう。テスラがエッジの立ったサイバートラックを提供しようというアメリカでは、より現実的な選択肢になる。能力を存分に楽しむこともできる。

フォードはBEVの先駆者というわけではなかったが、F-150 ライトニングの登場で大きく存在感を示すことに成功した。アメリカ市場へ与える影響は、小さくなさそうだ。

フォードF-150 ライトニング・ラリアット・エクステンデッドレンジ(北米仕様)
フォードF-150 ライトニング・ラリアット・エクステンデッドレンジ(北米仕様)

フォードF-150 ライトニング・ラリアット・エクステンデッドレンジ(北米仕様)のスペック

英国価格:8万5974ドル(約1220万円)
全長:5910mm
全幅:2032mm
全高:1988mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:4.3秒
航続距離:514km
電費:−
CO2排出量:−
車両重量:2989kg
パワートレイン:ツインAC永久磁石モーター
バッテリー:131kWh
急速充電能力:−
最高出力:580ps
最大トルク:106.9kg-m
ギアボックス:シングルスピード

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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