レクサスNX

公開 : 2014.08.06 23:50  更新 : 2017.05.29 19:24

■どんなクルマ?

昨年、2013年の東京モーターショーでコンセプトモデルが披露され、2014年4月の北京モーターショーにおいて世界初披露を果たしたレクサスの新しいSUV。位置づけとしては現在販売されているRXの弟分にあたり、ボディ・サイズもRXと比べてわずかだが小さい。

NXのコンセプトには「アーバン・スポーツギア(Urban Sports Gear)」という言葉が掲げられており、都市型SUVでありながら若々しく躍動感のあるエクステリアデザインと上質なインテリア、そしてスポーティな走行性能を併せ持つ。

ラインナップは大きく分けて2モデル。2.5ℓ4気筒×ハイブリッドを搭載するNX300hと、新開発の2ℓ4気筒ターボを搭載するNX200tの2車種が用意される。それぞれ標準車に加えてIパッケージ、Fスポーツ、バージョンLが設定され、さらに全モデルに2WD(FF)とAWDが用意される。

■どんな感じ?

注目は、レクサス初のターボ・ユニットを搭載するNX200tだろう。いまや小排気量ターボは世界的なトレンドであるけれど、8AR-FTSと名付けられたこの2ℓターボは、本体はもちろんタービンなど補器類もすべて自社設計という入魂の作。

水冷式エキゾースト・マニフォールド一体式のシリンダー・ヘッドほか、直噴技術D-4Sや可変バルブ・タイミングVVT-iなど、レクサス(トヨタ)の持てる技術をフル投入。レクサス初となるアイドリング・ストップ機構も備わるなど、次世代を担う基幹ユニットといえる。

まずは、そのNX200t バージョンLに乗り込む。専用の本革シートをはじめとする豪華なインテリアや、外装も一部専用となるバージョンLは、ホイールも18インチの専用品。車両価格はスポーティ色を強めたFスポーツと同価格とされ、この2モデルでラグジュアリー仕様とスポーティ仕様の両極を担う。

8AR-FTS 型2ℓターボのフィーリングは、スペックどおり低回転域から力強さを感じさせる。1650〜4000rpmという幅広い回転域で35.7kg-mものトルクを発生する実力は動き出してすぐに感じられ、スロットル・ペダルに載せた右足の動きに忠実な加減速が行える。SUVを走らせていて感じがちな、独特のゆったりした反応にストレスを感じる場面は少ないだろう。

といっても、それはドライブモードセレクトで「SPORT」を選んだときの話。NXでは200tと300hのいずれも「ECO」「NORMAL」「SPORT」そしてグレードによっては「SPORT S/S+」という4つの走行モードを選択することができるが、「ECO」モードでは明らかにすべての反応が鈍い。「NORMAL」モードでも場面によっては車両重量の重さを感じることがあったから、アーバン・スポーツギアらしい走りを楽しむなら、「SPORT」モードに固定して走りたいところ。このモードを選択すると、メーターの背景色が赤色に変化する点も気分を盛り上げる。

そして続いては、300h FスポーツのAWD。NXの全ラインナップ中、もっとも高価なモデルだ。Fスポーツといえば、レクサス各車に設定されるスポーティグレードとしておなじみだが、NXでは専用メッシュグリルやバンパーモールなどの専用外装に加え、30段階の減衰力制御サスペンションや車体前後に装着されるパフォーマンス・ダンパーなどにより、走行性能を向上させている。なおFスポーツは、NX300h/NX200tのいずれにも用意され、装備内容も同一だ。

2.5ℓ4気筒に2JM型モーターを組み合わせるハイブリッド・システムは、すでにISやGSに搭載されているものと同じ2AR型。ただし後輪駆動のISやGSでは2AR-FSE型となるのに対し、前輪駆動あるいはAWDとなるNX300hでは2AR-FXE型と称される。

モーター出力だけで143PS、27.5kg-mを誇るだけに、その走りっぷりはNX200hよりひとまわり、いやふたまわりほど力強い。試乗会場の周辺にあるワインディングでも、「レーザースクリューウェルディング」と呼ばれる新技術が用いられた高剛性ボディのおかげもあり安心して走ることができる。

強固な包まれ感のあるボディに納まり、太めのステアリングとその背後に備えられたパドルシフトを駆使して走る様子は、まるでスポーティクーペを走らせているかのよう。サスペンションは街中ではやや突き上げ感が気になるものの、ペースを上げて走ると路面をしっかりと4本のタイヤで掴む感触が伝わって頼もしい。なおNX300h/NX200tのいずれも、FスポーツとバージョンLでは18インチの225あるいは235サイズのタイヤが組み合わされる。

■「買い」か?

レクサスとしてはCT200h以来、久しぶりのニュー・モデルとなるNX。今なお高い人気を誇るRXの弟分というモデルでもあり、開発にはかなりチカラを入れてきているな、ということが感じられるモデルだ。

ラインナップはNX300h/NX200tという2モデル展開だが、Iパッケージ、Fスポーツ、バージョンLという各グレードがそれぞれにまったく同じように用意されていることからも、NX300h/NX200tはどちらが上位車種という区別なく、独自の魅力を備えたモデルということができる。

それでもあえて両車の違いを見つけるなら、アーバン・スポーツギアというコンセプトの「アーバン」を強調したのがNX300h、「スポーツ」を強調したのがNX200tということができるだろう。ギアとしての実用面は、電動シートフォールディングほかの装備は両車に共通となる。

平日のビジネス・シーンから休日のオフまで、都会から郊外まで、あらゆる場面で楽しめるクルマが欲しいというのであれば、レクサスNXは最高の相棒となってくれることは間違いない。そのなかでエンジンのメカニカル・サウンドや振動、そして環境性能といった点を考えるならNX300hになるだろう。レギュラー・ガソリン仕様という点も大きな魅力だ。

いっぽうNX200tは、300hの同グレードに比べ50kg軽いスペックから想像する以上に、軽快なハンドリングが楽しめるのが魅力。抑えられたとはいっても回転上昇とともにパワーが増してくるターボらしさもわずかながら残っており、ドライバーの気持ちを刺激してくれる。

たしかにNX200tが搭載する8AR-FTSはハイオク仕様となり、JC08モード燃費も12.4〜12.8km/ℓと、NX300hに比べ寂しい印象は否めない。が、それでもレクサス初の2ℓ直噴ターボには他では味わえない魅力がある。

というわけでオススメはNX200t、それもできればバージョンLがいい。バージョンLを推す最大の理由は、最高気温35度を記録した試乗当日、運転中に背中を冷やしてくれたベンチレーション機能付きシートが素晴らしく快適だったからだ。

(文・佐橋健太郎 撮影・佐藤正勝)

レクサスNX200t バージョンL (2WD)

価格 4,920,000円
燃費 12.8km/ℓ
乾燥重量 1740kg
エンジン 直列4気筒1998ccターボ
最高出力 238ps/4800-5600rpm
最大トルク 35.7kg-m/1650-4000rpm
ギアボックス 6速オートマティック

レクサス300h Fスポーツ (AWD)

価格 5,820,000円
燃費 19.8km/ℓ
乾燥重量 1850kg
エンジン 直列4気筒2493cc+モーター
最高出力 152ps + モーター(143ps + 68ps)
最大トルク 21.0kg-m + モーター(27.5kg-m + 14.2kg-m)
ギアボックス シングル・スピード

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