三菱「EVがないと英国には参入できない」 新型ASX発表、しかしEV仕様は未定

公開 : 2022.09.21 19:05

三菱は欧州向けのクロスオーバーとして、ルノー・キャプチャーをベースとした新型ASXを発表。欧州市場へのテコ入れを強化します。しかし、EVシフトが進む英国では、再参入の見通しは立っていません。

欧州での販売増目指す三菱 英国には参入できず

三菱自動車の欧州部門責任者は、販売できるEVが「複数車種」ある場合にのみ、英国市場への再参入を検討すると述べた。

三菱は9月21日、アライアンスパートナーのルノー・キャプチャーをベースにした新型ASXを欧州で発表した。欧州大陸の各市場では、来年3月に発売される予定。

三菱ASX
三菱ASX

ASXは、エクリプスクロスPHEVより小型のクロスオーバーで、プラグインハイブリッド車として販売される予定だが、EV仕様は発表されていない。

三菱はコスト削減の一環として、2020年に英国市場から撤退。当初は欧州全域から身を引く予定だったが、実際には2019年の欧州32市場から17市場へとスリム化し、現在に至る。その間に英国市場ではEVへのシフトが進み、三菱は現在のラインナップで再参入する予定はないようだ。

三菱の欧州部門責任者フランク・クロルは、「この2年間で市場はかなり急速に変化したため、再参入するには優れた製品戦略をとる必要があります。EVは1車種だけでなく、複数必要になるでしょう」と述べた。

クロルによると、三菱は欧州での販売台数を15万台近くまで伸ばすことを目指しているという。これは、2019年の水準まで回復させることを意味する。

新型ASXはルノーのスペイン工場で生産され、プラグインハイブリッド、ハイブリッド、1.3Lマイルドハイブリッド、1.0Lターボガソリンエンジンと、ルノー・キャプチャーのエンジンラインナップをフルで導入する予定である。

デザインはキャプチャーに非常に近いが、三菱の「ダイナミックシールド」をフロントグリルに施し、力強さを表現している。また、レーダークルーズコントロールや車線維持支援機能を組み合わせた「マイパイロット」など、先進の運転支援システムも装備する。

また、ルノー・クリオをベースとする新型コルトは、トルコにあるルノーの工場で生産される予定だ。ハッチバックのミラージュも引き続き欧州で販売する。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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