メルセデス・ベンツ日本、2台の高級EV発売 その戦略は? EQ専売店、横浜に年内オープン

公開 : 2022.09.29 20:15  更新 : 2022.10.02 14:46

メルセデス・ベンツのEV専売拠点が、横浜にオープンします。本日「EQS」「EQE」の発表会で明かされました。電気自動車に力を入れる同社、その戦略は?

EQSEQEなら、航続距離で悩まない?

メルセデス・ベンツ日本が、最上級EVセダンとなる「EQS」と、高級EVセダン「EQE」の導入を発表した。

EQSのベーシックグレードは、一充電当たりの航続可能距離が700km。これは、現在日本で販売されているEVのなかで最長。

発表会に登壇した上野金太郎社長。右が航続距離700kmのメルセデス・ベンツEQS 450+だ。
発表会に登壇した上野金太郎社長。右が航続距離700kmのメルセデス・ベンツEQS 450+だ。    メルセデス・ベンツ日本

技術プレゼンテーションを担当した同社 営業企画部の上野麻海部長も、大きな自信を持っているようだ。

「1日で600km~700kmを走るという方は、なかなか居ないのではないでしょうか。もう、航続可能距離が短いという理由で、電気自動車の購入をためらう必要はございません」

電動化に大きく舵を切るメルセデスだが、電気自動車はまだ現実的な選択肢ではないという声も多い。

メルセデス・ベンツ日本では、EVに関心をもつユーザーを取り込むべく大胆なサポートを用意している。今回の発表会でもそれが明らかになった。

EV専売拠点/バッテリー保証について

1つ目は、EV専門ショールームとなる「メルセデスEQ横浜」。メルセデス・ブランドで世界初となるEV専売拠点が、日本で誕生する。

運営はシュテルン世田谷が行い、豊富な試乗車と知識が深い販売員を揃え、“メルセデスで始めるEVライフ”をサポートしていくという。オープンは、今年12月初旬の予定だ。

メルセデスAMG EQE 53 4マティック+。フェンダーまで回り込むボンネットは、空力を考慮したもの。メンテナンス目的の場合にサービス工場でのみ開閉できる(室内用エアフィルター交換など)。よって、ウォッシャー液の補充は左フェンダー側面のサービスフラップで行う。
メルセデスAMG EQE 53 4マティック+。フェンダーまで回り込むボンネットは、空力を考慮したもの。メンテナンス目的の場合にサービス工場でのみ開閉できる(室内用エアフィルター交換など)。よって、ウォッシャー液の補充は左フェンダー側面のサービスフラップで行う。    メルセデス・ベンツ日本

2つ目は、手厚い保証。

EVはバッテリーの寿命が気になるところ。EQSとEQEの高電圧バッテリーは、10年または25万km以内なら、「残容量が70%に満たない」とサービス工場が診断した場合に保証される。

さらに、一般保証修理/定期メンテナンス/24hツーリングサポートが無償提供されるプログラム(新車購入から5年または10万kmの早い方)も適用される。

日本だけの給電機能 7日分の電力を

3つ目は、EVならではのメリット、給電機能だ。

メルセデスとして初めてV2H、V2Lに対応。家庭の太陽光発電システムで発電された電気の貯蔵装置となるほか、停電時などに、電気を家庭に送る予備電源としても利用できる。

EQSに蓄えられた電気で、家庭の家電(右奥)に給電するデモを行う上野麻海 営業企画部長。
EQSに蓄えられた電気で、家庭の家電(右奥)に給電するデモを行う上野麻海 営業企画部長。    AUTOCAR JAPAN

EQS(バッテリー容量107.8kWh)は、一般的な4人家族に必要な電力なら約7日分を賄える。EQE(バッテリー容量90.6kWh)は約6日分だ。

驚くことにこの機能、EQSとEQEの日本仕様に特別に備わるものだという。

発表会に登壇した上野金太郎社長は、「わたくし共、メルセデス・ベンツがいかに電気自動車に本気で取り組んでいるか、日本のお客様にご満足して頂けるようチカラを入れているかを、お分かり頂けたと思います」と、EVの拡販に自信をうかがわせた。

本日発表されたEQS、EQEの日本価格は下記のとおりとなっている。

メルセデス・ベンツEQS 450+:1578万円
メルセデスAMG EQS 53 4マティック+:2372万円
メルセデス・ベンツEQE 350+:1248万円
メルセデスAMG EQE 53 4マティック+:1922万円

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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