6代目にフルチェン&世界初公開!新型トヨタRAV4はどう変わったのか?【チーフエンジニアに聞く】

公開 : 2025.05.22 11:48

5月21日、トヨタのクロスオーバーSUV『RAV4』が6代目にフルモデルチェンジされ、世界初公開されました。チーフエンジニアの太長根嘉紀氏の話を織り交ぜながら、新型RAV4の概要を篠原政明が紹介します。

コンセプトは『Life is an Adventure』

5月21日、トヨタのクロスオーバーSUV『RAV4』が6代目にフルモデルチェンジされ、世界初公開された。チーフエンジニアの太長根嘉紀(ふとながね・よしのり)氏の話を織り交ぜながら、新型RAV4の概要を紹介していこう。

1994年に初代が登場したRAV4の車名は『Robust Accurate Vehicle with 4 Wheel Drive(SUVらしい力強さと、使用性へのきめ細やかな配慮を兼ね備えた4WD)』というコンセプトから名づけられている。

トヨタのクロスオーバーSUV『RAV4』が6代目にフルモデルチェンジ。写真は『Core(コア)』。
トヨタのクロスオーバーSUV『RAV4』が6代目にフルモデルチェンジ。写真は『Core(コア)』。    平井大介

新型RAV4のチーフエンジニアとなった太長根氏は、4代目のRAV4から開発企画に携わっている。

新型RAV4のコンセプトは『Life is an Adventure』。ラフロードなどを走ってワクワクするのはもちろんだが、街中を普通に走っていたり、子どもの成長を楽しみながら送り迎えしたり、そんな「普段使いでもワクワクできるクルマを目指しました」(太長根氏)という。

ユーザーに寄り添う3つのスタイル

そういったワクワクできるシーンというのは、人さまざま。新型RAV4では、そんなユーザーに寄り添えるようにと、3つのスタイルで登場した。

大径タイヤを強調した『ビッグフット』、高い走破性を想起させる『リフトアップ』、使いやすい荷室空間の『ユーティリティ』というキーワードは共通だが、洗練されたデザインの『CORE(コア)』、ラギッド感を強調した『ADVENTURE(アドベンチャー)』、走りの楽しさを機能とともに表現した『GRスポーツ』という、3つのスタイルだ。

新型RAV4は3つのスタイルを用意。こちらはラギッド感を強調した『ADVENTURE(アドベンチャー)』。
新型RAV4は3つのスタイルを用意。こちらはラギッド感を強調した『ADVENTURE(アドベンチャー)』。    平井大介

なお、この3つのスタイルはグリルやバンパー、エアロパーツ、インテリアの意匠などで区別化されているが、ヘッドランプやボディパネルなどは共通化されている。

時代に合わせた、変わっていくライフスタイルに応えながら進化してきたRAV4。今回はユーザーの多様なニーズに対応するために3つのスタイルを設定することで、都会でもアウトドアでも、これまで以上にあらゆるライフスタイルにフィットする相棒のような存在となることを目指している。

電動車でもRAV4らしい走破性を追求

パワートレインは、2.5Lの直4 ダイナミックフォースエンジンとモーターによる、HEV(ハイブリッド車)とPHEV(プラグインハイブリッド車)だけになり、現段階ではエンジン車は設定されていない。

「RAV4らしいラフロードの走破性を電動車でできるか? という疑問はありました。でも、電動化だからこそできるものを追求しました」(太長根氏)

新型RAV4には、走りの楽しさを機能とともに表現した『GRスポーツ』も用意される。
新型RAV4には、走りの楽しさを機能とともに表現した『GRスポーツ』も用意される。    平井大介

4WDはリアにも電動モーターを搭載する『E-Four』だが、フロントのモーターは最高出力を150kWにアップ(従来型比+12%)、リアは40kWで変わらずだが、サスペンション取付け部の剛性を10%アップし、ブレーキシステムを一新。ボディ剛性アップなどにより、悪路走破性はもちろん、普通の道での乗り味も向上させている。

新型RAV4のプラットフォームは従来型と同じTNGA-Kで、バッテリー搭載位置などでアンダーフロアは大幅に改良されている。

「5代目も良いレベルで仕上がっていましたが、新型ではノイズや防振のレベルをさらに引き上げました」(太長根氏)

記事に関わった人々

  • 執筆

    篠原政明

    Masaaki Shinohara

    1958年生まれ。某自動車雑誌出版社をめでたく? 卒業し、フリーランスのライター&エディターに。この業界に永くいるおかげで、現在は消滅したものを含めて、日本に導入されている全ブランドのクルマに乗ってきた……はず。クルマ以外の乗りものもけっこう好きで、飛行機や鉄道、さらには軍事モノにも興味があるらしい。RJC会員。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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