2022年版 予算度外視で考える超高級車 ベスト10 世界一のラグジュアリー

公開 : 2022.10.02 18:05

3. ベントレーフライングスパー

ベントレーの「コンチネンタル」シリーズは、2006年にコンチネンタル・フライングスパーとして現代に登場し、2014年のモデルチェンジで2ドアのコンチネンタルGTとの混同を避けるために、4ドア・セダンはフライングスパーを名乗るようになった。

現在3代目のフライングスパーは、誇り高く、筋肉質なデザインを最新のコンチネンタルGTからふんだんに採り入れている。ポルシェと共同開発された新しいプラットフォーム、四輪操舵(4WS)、アクティブアンチロールバーを採用し、走りの印象も以前と大きく変わった。グリップ、バランス、ステアリングのすべてが顕著に改善されている。

3. ベントレー・フライングスパー
3. ベントレー・フライングスパー

もちろん、6.0LツインターボW12エンジンは、最高出力635psと底なしのトルクを発揮し、0-100km/h加速も4秒以内に達成、最高速度は320km/h以上となる。また、軽量のV8とハイブリッドのV6も用意されている。後者はフライングスパーの個性によく似合い、EVモードではほぼ無音で走行するため、荘厳な静けさすら感じられる。さらに、V8モデルのような個性はないものの、これに匹敵するほどの速さを発揮する。

フライングスパーがこれほどまでに完成され、超高速の高級ドライバーズカーとして活躍できると感じたことは、今までなかった。その理由の多くは、やはりキャビンにある。エントリーレベルのリムジンでありながら、美しくステッチされたソフトレザー、天然木、手触りの良いメタルが添えられ、真にラグジュアリーな空間となっている。

4. メルセデス・マイバッハSクラス

ダイムラーの超高級ブランド、メルセデス・マイバッハのフラッグシップがSクラスである。世界で最もリスペクトされ、賞賛を集めるリッチで特別なクルマである。

外観だけで判断すると、ベンツのSクラスとほとんど変わらないように思える。これは、従来のベンツに最高級のマイバッハモデルを設定し、ブランドの幅を広げようという戦略をとった結果である。華々しいかつてのマイバッハ57および62は、歴史に名を残すことになった。

4. メルセデス・マイバッハSクラス
4. メルセデス・マイバッハSクラス

Sクラスをベースにしていることは、このクルマの最大の弱点であると同時に最大の強みでもあるかもしれない。ロールス・ロイスやベントレーに比べれば、Sクラスは垂涎の的というには程遠いかもしれないが、Sクラスであるがゆえに、先進のアクティブサスペンションや運転支援システムの恩恵を受け、見事に洗練された、豊かで心地よいクルマとなったのである。

最上位のS 650では、搭載されたツインターボV12(最高出力611ps)の音はほとんど聞こえず、快適性へのこだわりが際立つ。標準的なSクラスのロングホイールベース仕様よりも18cm長いので、脚の長い乗員でも十分なスペースが確保されるだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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