システム改良で訴求力上昇 ボルボXC60 リチャージT6 AWDへ試乗 安全で安心なSUV

公開 : 2022.10.03 08:25

ボルボのPHEV SUVがマイナーチェンジ。バッテリーは18.8kWhへ増え、馬力は350psに。英国編集部が仕上がりを確かめました。

電気の力だけで最長77km走れるPHEV

欧州市場では、ちょっと上級なファミリーカーは4ドアサルーンやステーションワゴンから、SUVやクロスオーバーへ置き換わっている。パワートレインも、ディーゼルエンジンではなくプラグイン・ハイブリッド(PHEV)が有力だ。

この変化へ同調するように、持続可能性を掲げる北欧のブランド、ボルボはPHEVのXC60 リチャージT6へマイナーチェンジを加えた。競争力を維持する、理にかなった決定だといえる。

ボルボXC60 リチャージ・プラグイン・ハイブリッドT6 AWD プラス(英国仕様)
ボルボXC60 リチャージ・プラグイン・ハイブリッドT6 AWD プラス(英国仕様)

今回の変更の中心にあるのは、ハイブリッド・システムのアップデート。駆動用バッテリーは11.6kWhから18.8kWhへ容量が増やされ、リアの駆動用モーターは147psへパワーアップしている。

その結果、リチャージT6の最高出力はシステム総合で350psへ向上。電気の力だけで走るEVモードでの走行可能距離は、53kmから77kmへ伸びている。アクセルペダルだけで発進から停止までまかなえる、ワンペダルドライブも可能となった。

高効率化により、CO2の排出量も24g/kmへ減少。マイナーチェンジ前は55g/kmだったから、カタログ値とはいえ半分以下になっている。

リチャージT6の上にはT8も存在するが、こちらはシステム総合で455psを獲得。ボルボの量産車としては過去最強を誇示する。英国の場合、PHEVのXC60で主力になるのはT6の方で、XC60全体で見ても40%と支持率は高い。

エコで上質な車内 知的なハイブリッド制御

環境負荷へ配慮するボルボにとって難しい課題といえるのが、一般的に高級だと感じる皮革や石油由来の素材を減らして、ラグジュアリーなインテリアをデザインすることだろう。実際、リチャージT6の内装にレザーは用いられていない。

質感の高いエコ・ファブリックを採用し、不満のない上質感を実現している。装飾トリムには、クリア塗装が施されない無垢のウッドが用いられ、マット仕上げの金属のアクセントと組み合わされている。

ボルボXC60 リチャージ・プラグイン・ハイブリッドT6 AWD プラス(英国仕様)
ボルボXC60 リチャージ・プラグイン・ハイブリッドT6 AWD プラス(英国仕様)

車内空間はライバルのジャガーEペイスより広く、荷室容量でも有利。ステーションワゴンで名を馳せたボルボらしい。

ダッシュボードの中央には、縦に長い巨大なタッチモニターが据えられる。ボルボはインターネットの巨人、グーグルと提携しており、便利なグーグルマップがインフォテインメント・システム内で稼働する。

ナビゲーションで目的地を設定すると、XC60自ら計画的にハイブリッド・パワートレインを制御してくれる。駆動用バッテリーの電気とタンク内のガソリンを、最も効率的に用いるために。

実際に試してみたが、目的地に到着したタイミングでバッテリーの残量がちょうど0になった。その巧妙さが、少し不思議な印象ですらあった。

目的地を設定しなくても、EVモードでの走行可能距離は、メーター用モニターに表示される数字と実際の距離が極めて近いようだ。音声認識システムの賢さも素晴らしい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    レイチェル・バージェス

    Rachel Burgess

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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