ランチア 2024年にイプシロン復活へ 次世代EVコンセプト「プーラ」公開

公開 : 2022.11.29 18:05

ランチアは、2028年までに発売する3車種のEVのデザインベースとなる「プーラ」コンセプトを公開しました。ロゴも刷新し、ブランド再始動を宣言しています。

ランチア復活へ 新ロゴとコンセプトモデル公開

イタリアの自動車ブランドであるランチアは、2028年までに欧州市場を中心に3車種の新しいEVを発売する予定で、そのデザインを予告するコンセプトモデル「プーラ(Pura)」を公開している。

実車ではなく、フローティング・アートとして公開されたこのコンセプトは、新型イプシロン、新生デルタ、そしてまだ名前のないフラッグシップモデルのデザインのベースとなる。

ランチアの新たなブランドロゴ
ランチアの新たなブランドロゴ    ランチア

ランチアCEOのルカ・ナポリターノは、このコンセプトはランチアの「新時代」を示すものであり、「次の100年」に向けた姿を示すものであると述べている。

フロントエンドでは、ランチアの伝統的なT字型グリル「カリス」を現代風にアレンジし、3本のLEDライトで再構成している。リアには、ランチア・ストラトスからインスピレーションを得た円形の中空テールライトと、新しいブランドネームが配置された。

ヘッドデザイナーのジャン=ピエール・プルエは、「時代を超越し、耐久性があり、ユニーク。ランチアのデザインは、円、四角、三角といった象徴的な(そしてピュアな)形状で構築されていきます」と語った。

このリアデザインは、2024年に発売予定の新型EV、イプシロンから採用される予定。親会社であるステランティスのSTLAスモール・プラットフォームがベースとなる可能性が高く、プジョー e-208との部品共有が予想される。

イプシロンを筆頭に、ランチアは2028年までにEV専用ブランドとなることを目指している。他の2車種のデビュー時期はまだ発表されていない。

欧州を中心に再展開 小型のプレミアム車

ナポリターノCEOは以前、AUTOCARの取材に対し、ランチアは「エレガンスとモダンさで世界中に認知されるようになった歴史」に則って、コンパクトなフラッグシップモデルに注力する予定だと語っている。

また、同氏は発表会で、今後発売される新型車は「第一段階ではイタリアと他の欧州4か国」(英国、フランス、ドイツを含むと予想される)で販売され、その後欧州全域に拡大すると述べた。

ランチアの次世代EVデザインの土台となる「プーラ」コンセプト
ランチアの次世代EVデザインの土台となる「プーラ」コンセプト    ランチア

ランチアは、兄弟ブランドのアルファ・ロメオやDSのようにオンライン販売に力を入れるとともに、欧州全域で100の販売店を展開する計画も明らかにした。

「ランチアを欧州の高級車市場でリスペクトされるブランドにしたい」とナポリターノCEOは語る。

ランチアの次世代車のインテリアについては、イタリアのデザイン会社カッシーナと共同開発され、来年4月にその全貌が明らかにされる予定。最新の車載技術も搭載されるという。

また、ブランドロゴの刷新も発表された。日産フォルクスワーゲンBMWなど複数の自動車メーカーが採用する二次元の「平面」デザインではなく、立体的なデザインとしているのが特徴だ。

116年の歴史を持つランチアは、個性的なラリーカーやスポーツカーで名を馳せてきたが、近年は3代目となるイプシロンを一部の地域でのみ販売している。2021年よりステランティスの傘下に入った。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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