900ps超のハイブリッドSUV ロータス、PHEV版『エレトレ』導入 販売にテコ入れ

公開 : 2025.12.10 07:25

ロータスは大型電動SUV『エレトレ』のPHEVバージョンをまもなく導入予定です。『ハイパーハイブリッド』と呼ばれるパワートレインを採用し、驚異的な出力と350kmのEV航続距離を実現します。

2.0Lガソリンと70kWhバッテリーを搭載

ロータスはまもなく、電動SUV『エレトレ』のプラグインハイブリッド版を導入予定だ。その仕様詳細が、中国政府への申請書類により明らかになった。

エレトレは現在、フル電動モデル(EV)として販売されているが、新型のPHEVモデルでは従来の108kWhバッテリーから小型の70kWhバッテリーに切り替える。

外観的にはEVモデル(写真)とほぼ共通だが、フロントグリルの形状が異なる。
外観的にはEVモデル(写真)とほぼ共通だが、フロントグリルの形状が異なる。

これにより、1回の充電での電気航続距離は約350kmとなる。ただし、この数値は中国のCLTCテストサイクルに基づくもので、欧州で採用されているWLTP基準よりも寛容だ。

兄弟ブランドのジーカー(Zeekr)が販売する9Xというモデルでは、同じバッテリーを使用し、20%から80%までわずか8分強で充電可能だ。エレトレPHEVが同等の性能を持つ場合、ピーク充電速度は400kWを大きく上回ることになるが、詳しいことはまだ確認されていない。

エレトレPHEVは、ジーカー9Xと同じターボチャージャー付き2.0L直列4気筒ガソリンエンジンを搭載する。車輪を直接駆動するほか、走行中にバッテリーを充電する。

電気モーターの詳細は未公開だが、9Xでは3基のモーターで合計出力1400psを発生する。ロータスは以前、『ハイパーハイブリッド』と呼ばれるパワートレインが最大925psを発生すると述べていた。

エレトレPHEVの車両重量は、グレードや装備により2575kgから2625kgとされている。既存のEVモデルとほぼ同等だ。

外観上は、エンジン用に空気を取り込むフロントグリル形状とトランクリッドにあしらわれた『For Me』バッジを除けば、EVモデルとほぼ共通だ。

エレトレPHEVは1月に正式公開される予定だ。英国を含む欧州では来秋に販売開始予定とされている。

ロータスは2028年までにEV専用ブランド化すると公約していたが、エレトレと『エメヤ』の販売は当初の予想を大幅に下回っており、方針転換を余儀なくされた。

ハイブリッド車の投入により、EV普及が遅れている地域での販売促進につなげたい考えだ。収益性向上も期待されている。ロータスは2025年9月までの9か月間で3億5700万ドル(約555億円)の営業損失を計上している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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