今こそランチアの出番!新型イプシロンに乗って思ったこと【日本版編集長コラム#41】

公開 : 2025.08.03 11:45

AUTOCAR JAPAN編集長ヒライによる、編集長コラムです。最近乗ったクルマの話、取材を通じて思ったことなどを、わりとストレートに語ります。第41回は、先日記事を掲載した、5代目となる新型ランチア・イプシロンについてです。

2006年に3代目イプシロンを新車で購入

ランチア・イプシロンと聞いて、1985年のY10を初代に数えて5世代あるうちのいずれかが思い浮かぶ方は、それなりにクルマが好きな方だと思う。洗車をお願いしたガソリンスタンドで、「ランチアの方」と呼ばれることはあっても、「イプシロンの方」と呼ばれたことは、過去一度もない。

私は3代目ランチア・イプシロンのモモデザインという限定モデルを2006年にガレーヂ伊太利屋から新車で購入し、以来ずっと所有している。元々、左ハンドル、イタリア車のマニュアルしか選んだことがなかった車歴を持っていた私は、当時取材で乗ってすっかり気に入ってしまい、我が家に迎い入れた次第だ。

今回のコラム執筆のきっかけとなった、カーボックス横浜が輸入した5代目ランチア・イプシロン。
今回のコラム執筆のきっかけとなった、カーボックス横浜が輸入した5代目ランチア・イプシロン。    山本佳吾

そこから来年でちょうど20年。最初の5年くらいは他にレポート車を抱えていたためほとんど乗らなかったが、そこからは年間1万kmくらい乗るようになり、現在は約10万8000kmの走行距離となっている。

1年前に東京都内から静岡県東部に移住してからは、さすがに長距離で酷使するには辛くなってきたこともあり(特に今の時期はエアコンの効きが心もとない)、現在は経年劣化で使えなくなったボディカバーを新調し、屋根のある自宅車庫で骨を休めていることが多い。

そんな中で先日、うちのイプシロンにお呼びがかかった。カーボックス横浜が輸入した5代目となる新型ランチア・イプシロンのお披露目イベントで、私がトークショーのMCを務めることになり、そこに並べることになったからだ。

大人が落ち着いて乗れるクルマに仕上げる手法

カーボックス横浜の代表を務める吉田友宣さんは、ここ10年くらい仲良くさせて頂いていて、ジュネーブやパリのモーターショーへ何度も一緒に行った仲だ。

そんな彼がイプシロンを輸入すると聞き、いろいろと話をする中で、先日公開した渡辺敏史さんの試乗記事が実現。さらに渡辺さん、吉田さんと3人で話すトークショーのMCを担当する流れになった。

7月26日にカーボックス横浜でお披露目イベントを開催。筆者はトークショーでMCを担当。
7月26日にカーボックス横浜でお披露目イベントを開催。筆者はトークショーでMCを担当。    山本佳吾

新型イプシロンは私も横浜から都内まで試乗し、かなり魅力を感じている。それは各世代のイプシロンが持っていた、その時代の素材をうまく活用して大人が落ち着いて乗れるクルマに仕上げる手法を、しっかりと受け継いでいたからだ。

ランチアはストラトスやデルタのラリーイメージが圧倒的に強いが、基本的にはエレガントという言葉が似合う上品なクルマが多い。それは1906年にヴィンチェンツォ・ランチアが誕生させたブランドが、ずっと矜持として大切にしてきたことだ。

5代目イプシロンは、プジョー208オペルコルサときょうだい車となり、フィアット600やアルファ・ロメオジュニアなどとも親戚関係にある。それだけ聞くとネガティブに捉える方もいらっしゃるかもしれないが、むしろ歴史的に見ればそれは逆で、プラットフォームなど中身の共用が進む現代こそ『ランチアの出番だ!』とすら思う。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。

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