フィアットの超小型2人乗りEV『トッポリーノ』にアバルト仕様追加? 若者の心を掴むスポーティバージョン検討中

公開 : 2026.07.13 07:05

フィアットは欧州消費者の若年層を取り込むため、アバルト仕様の『トッポリーノ』投入を検討しています。マイクロモビリティ事業に力を入れる中、トッポリーノの購入者の平均年齢を引き下げることが課題となっています。

購入者の平均年齢は40代半ば

フィアットは、若年層の顧客獲得を目指し、欧州で販売している小型四輪車『トッポリーノ』のアバルト仕様投入を検討している。マイクロモビリティの普及拡大を促進する取り組みの一環だ。

トッポリーノは2人乗りの超小型EVで、欧州の「L6」というカテゴリーに分類されており、フランスやイタリアなどの国では14歳から合法的に公道を走行できる。ただし英国では普通運転免許が必要だ。

フィアット・トッポリーノ・スポルト
フィアット・トッポリーノ・スポルト    フィアット

しかし、トッポリーノ購入者の平均年齢は40代半ばであり、これを引き下げることが優先課題となっている。

その一環として、フィアットは最近、イタリアで新型『トッポリーノ・スポルト』(画像)を発売した。レーシングストライプをあしらった新しいボディカラー、ブラックのインテリア、そして「モンスターリーノ」と呼ばれる取り外し可能なBluetoothスピーカーを特徴としている。

フィアットは今後、トッポリーノのバリエーションをさらに増やす方針だ。同社CEOのオリヴィエ・フランソワ氏は、高性能のアバルト仕様について「夢」であると述べ、「現在検討中であり、実現するかもしれません。もし実現すれば、大ヒットするでしょう」と前向きな姿勢を示した。

なぜ若者の心を掴めていないのか?

L6規格では出力と最高速度が厳しく制限されているため、アバルト・トッポリーノにおいて大幅な性能向上は見込めないものの、独自のスタイリング要素が加わる可能性はある。

フィアットの欧州責任者ガエターノ・トレル氏はAUTOCARの取材で、アバルト・トッポリーノの実現可能性について問われた際、次のように答えた。

フィアット・トッポリーノ
フィアット・トッポリーノ

「トッポリーノにアバルトらしい感覚を取り入れたい。というのも、若者への販売拡大を目指しているからです」

「驚くべきことに、トッポリーノはイタリアで最も成功しているクアドリシクル(四輪マイクロカー)ですが、正直なところ、16歳や17歳の若者の心をまだ掴めていません。彼らの心を掴みたい。だからこそ、『トッポリーノ・スポルト』を用意したのです。アバルト・トッポリーノもまた、1つの解決策になり得るかもしれません」

欧州の若者がトッポリーノに魅力を感じていない理由について尋ねられると、トレル氏は、「ローマはマイクロカーの街ですが、親たちは14歳の子供にリジェ(フランスの自動車メーカー)の小型車を買い与えます。四輪の方が二輪より安全だと感じるからです。一種のステータスの問題でもあります。リジェは(50ccガソリン)エンジンやその音などによってスポーティな印象を与えるのに対し、トッポリーノはより穏やかな印象です」と答えた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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