ラストは600psで350台 アキュラ(ホンダ)NSX タイプSへ試乗 走りで深い記憶を刻む 前編

公開 : 2022.12.16 08:25

ホンダらしい見た目 感動の薄いインテリア

リア側に1基、フロント側に2基の駆動用モーターが搭載される四輪駆動という構成は変わらないが、トルクベクタリング機能と9速デュアルクラッチATは改良を受けている。特にトランスミッションは、変速スピードを2倍に速めたそうだ。

とはいえ、2代目NSXの本質的な個性に変化はないようだった。特に通常のドライブモード時は。

アキュラ(ホンダ)NSX タイプS(北米仕様)
アキュラ(ホンダ)NSX タイプS(北米仕様)

NSXは、タイプSでも、後ろから近づくとホンダ車らしいベーシックな雰囲気がスタイリングに香る。長いドアの開き方は、一般的な縦ヒンジだ。

運転席へ座ると、オリジナルのNSXには及ばないものの視界は良好。フロントガラス左右のAピラーは、現代のモデルとしては運転の邪魔になりにくい。

タイトなコクピットは丁寧に仕立てられているものの、この価格帯で期待されるような感動は薄い。イタリア・ブランドのライバルとは比べない方が良いだろう。10年くらいは、トラブルフリーだと思うけれど。

インテリアのデザインや素材の質感は、上級に思えるが、ハイグレードのホンダ・アコードのそれに近い。タッチモニターは、シビックのモノと同じに見える。

華やかな内装と友人に自慢できるエンブレムが欲しいなら、NSXは考えない方が良いだろう。このコクピットは、シリアスに運転するための特等席だ。彫りの深いスポーツシートは、ドライバーの身体を固定するための道具といえる。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ラストは600psで350台 アキュラ(ホンダ)NSX タイプSへ試乗 走りで深い記憶を刻むの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

ホンダの人気画像