ニュルでフェラーリ360を凌駕 ルノー・メガーヌ R.S.(III) 多彩なグレード 英国版中古車ガイド 

公開 : 2023.01.11 08:25

ドライバーを魅了する走りのホットハッチ

2016年にルノーメガーヌは4代目へモデルチェンジし、2世代目のR.S.も終了。後世へフレンチ・スポーツマインドのバトンをつないだ。

ドイツ・ニュルブルクリンクで2度もラップレコードを記録し、サーキットだけでなく公道でもドライバーを魅了する走りを提供したメガーヌ R.S.。2世代目の仕上がりは素晴らしかった。

ルノー・メガーヌ R.S.(III/2010〜2016年/英国仕様)
ルノー・メガーヌ R.S.(III/2010〜2016年/英国仕様)

より実用性に優れるホットハッチも、乗り心地が快適なライバルも存在する。だが中古車価格を踏まえると、メガーヌ R.S.の速さには唸らざるを得ない。運転で得られる充足感も、大きな魅力だろう。

新車時代のAUTOCARの評価は

カップ・シャシー仕様でも、先代のR26以上に熟成が進んでいる。シャープなエッジが丸められたホットハッチといえる。煮詰められた仕上がりに、熱い魂が鳴りを潜めたと勘違いするかもしれないが、それは間違い。

カーブの連続する理想的な道へ足を伸ばせば、ドライバーとの一体感に長け、操る自信が湧き出る素晴らしい実像が現れる。サーキットなら、なお一層。才能溢れるモデルだ。(2010年1月13日)

ルノー・メガーヌ R.S.(III/2010〜2016年/英国仕様)
ルノー・メガーヌ R.S.(III/2010〜2016年/英国仕様)

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

タイミングベルト交換は、6年毎か12万km毎の指定。一緒にウオーターポンプの交換も済ませたい。ルノーは、R.S.に全合成で5W-40のエンジンオイルを指定している。ロッカーカバーやサンプカバーから、オイル漏れがないか確かめる。

トランスミッション

内部のベアリングからの異音に注意。修理は高く付く。走行距離が12万kmを超えるような例では、デュアルマス・フライホイールからカチカチと音が出る場合がある。徐々に悪化していくので、放置しない方が良いだろう。

サスペンション

ルノー・メガーヌ R.S.(III/2010〜2016年/英国仕様)
ルノー・メガーヌ R.S.(III/2010〜2016年/英国仕様)

アンチロールバーのドロップリンクや、ラバー製トップマウント・ブッシュの劣化状態を確認する。ドロップリンクがヘタると、コツコツと振動音が出るのでわかりやすい。

ロワー・スイベルジョイント部分のブッシュも劣化する。ステアリングホイールを切ると、ノック音が出るようになる。サスペンションの下側が加速時に広がり、ブレーキング時に狭まるため、走りが見違えて悪くなる。

インテリア

乗員空間と荷室のフロアが湿っていないか調べる。スポーツシートはサイドボルスターが避けやすい。エンジンの始動時に、警告灯が1度灯って消えることを確かめる。

ブレーキとタイヤ

ブレーキディスクのエッジが過度に飛び出ていないか確かめる。ステアリングホイールを切り、タイヤの内側が偏摩耗していないか観察する。タイヤは有名ブランドのものが好ましい。

ボディ

フロントガラス付け根のドレイン部分が詰まっていないか確かめる。リアタイヤ側のフェンダーは、小石の飛び傷が付きやすい。腐食が始まる前にタッチアップしておきたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    オリバー・ヤング

    Oliver Young 

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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