なぜ、コロナ禍でも高級車が売れるのか? ランボルギーニが、過去最高の販売を記録した背景

公開 : 2023.01.17 10:45

戦略のうまさ 富裕層の動向も追い風に

右肩上がりの成長を遂げてきたランボルギーニだが、その理由を探ってみた。もちろんウルスの存在は大きいが、スーパースポーツ・モデルを育ててきたことも見逃せない。

それに“戦略的な展開”も的を得ている。

V10モデルのウラカン・シリーズには、ドライビングの楽しさを追求した「ウラカン・テクニカ(写真)」が加わったほか、オフローダー風に仕立てた「ウラカン・ステラート」も登場。新たな需要を掘り起こす企画力も見ものだ。
V10モデルのウラカン・シリーズには、ドライビングの楽しさを追求した「ウラカン・テクニカ(写真)」が加わったほか、オフローダー風に仕立てた「ウラカン・ステラート」も登場。新たな需要を掘り起こす企画力も見ものだ。    ランボルギーニ

ウラカン・シリーズを例に挙げると、進化版の「エボ」、公道を走るレーシングモデルとして開発された「STO」、操る楽しさを追求した「テクニカ」を送り出してきた。

さらにはデリバリーこそ2023年になるがオフローダーの「ステラート」と、思わず手を出したくなる魅力的なモデルたちを、適切な間隔とタイミングで投入してきた“戦略の巧妙さ”も見逃せない。

隠れた要素としては、子供の頃にスーパーカーブームの洗礼を受けた世代が、晴れて長年の夢であったランボルギーニを手にするようになったことも要因の1つといえる。

ここ数年は世界的な低金利政策に端を発するマネーゲームにより、富裕層が資産を増やし、ラグジュアリー・クラスのクルマに注目したことも追い風となった。

このようにすべてがうまくかみ合ったからこそ、快進撃を続けているのである。来る電動化にも正面から取り組み、ランボルギーニの成長戦略は、まだ序章に過ぎないのである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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