待望のMのワゴン BMW M3 コンペティション・ツーリング 500Lの荷室に510ps 前編

公開 : 2023.01.26 08:25

他に例がないほど主張の強いスタイリング

さて、筆者の目前に姿を表したステーションワゴンは、相当に存在感が強い。9万ポンド(約1440万円)以下に設定された英国の価格帯で考えると、これほど自己主張の強いスタイリングは他に例がないように思う。

リアフェンダーがマッシブに膨らみ、気候を問わず超高速で走れるワゴンというコンセプトへ見事に合致している。リアのドアパネルも専用品として造形に手が加えられていれば、一層ダイナミックに映ったことだろう。

BMW M3 コンペティション・ツーリング(英国仕様)
BMW M3 コンペティション・ツーリング(英国仕様)

今回の試乗車には、カーボン製のボディキットと、フロントが19インチ、リアが20インチとなる鍛造アルミホイール、カーボンセラミック・ブレーキなどのオプションが載っていた。最終的な英国価格は、10万150ポンド(約1602万円)になる。

フロントとリアには、Mアニバーサリー仕様のロゴマークがあしらわれている。これも300ポンド(約5万円)のオプション。またツーリングの場合は四輪駆動のみの設定で、コンペティション仕様しか選べないという。

もちろん、価格に見合った内容が与えられている。このカテゴリーになると、走りと実用性のバランス以上が求められるが、M3 ツーリングは抜かりない。

基本的に、通常の3シリーズ・ツーリングが備える機能や使い勝手は犠牲になっていない。テールゲートはリアガラス部分だけ独立して開閉が可能で、荷室のフロアには格納式の仕切りが付く。ゴム製で、カーブで荷物が滑るのを防いでくれる。

荷室容量は500L。リアシートの背もたれは前方に倒せ、大きな家具を積むこともいとわない。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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