オークションで高額落札されたクルマ 10選 ポルシェ911からT型フォードまで 2022年版

公開 : 2023.02.05 18:05

フォード・モデルT

戦前に製造されたクルマは、それほど爆発的な価値を持つものではなかったが、3月に「Bonhams Amelia Island」のオークションで落札された1908年のフォード・モデルT(T型フォード)は例外的な1台であった。

この車両はシャシー番号「2」を主張しており、20万7188ポンド(約3300万円)で落札されて記録を更新したが、多くのマニアは懐疑的であった。100年前のクルマによくあることだが、過去にリビルドされており、その真の出所は不明である。

フォード・モデルT
フォード・モデルT

メルセデス・ベンツ300 SLRウーレンハウト・クーペ

RMサザビーズが主催した招待者限定のシークレットオークションで、1955年式メルセデス・ベンツ300 SLRウーレンハウト・クーペが出品され、1億3500万ユーロ(約190億円)で落札された。これは、クラシックカーのオークション歴代記録を大きく塗り替えるものであった(以前の記録は2018年にサザビーズに出品された1962年式フェラーリ250 GTOのもの)。

300 SLRウーレンハウト・クーペは壮大なカレラ・パメリカーナ・レースに参戦するために2台のみが製造された希少なクルマだ。300 SLRは、1955年のル・マン24時間レースで他車との接触により宙を舞い、84人が死亡する悲劇を経験したこともあって、レースから引退している。

メルセデス・ベンツ300 SLRウーレンハウト・クーペ
メルセデス・ベンツ300 SLRウーレンハウト・クーペ

落札されたウーレンハウト・クーペはメルセデス・ベンツが保管していたもので、わずかな回数しか走行していない。希少性と保存の重要性から、メルセデス・ベンツの厳しい規定が今もなお適用されている。

フェラーリF355 GT

昨年のオークションは、低走行距離のフェラーリのオンパレードだったが、その恩恵を受けたのがF355のマーケットであった。米国のオークションサイト「Bring a Trailer」で4月、2万7000km走行の1996年式F355 GTS(MT車)が30万ドル(約3900万円)で落札され、同モデルの新記録を達成したのだ。

これは単なる例外ではなく、「Broad Arrow Auctions」が8月に開催したモントレー・オークションでは、1995年式のF355 GTB(ブラウンにブルーという、あまり伝統的でないカラーリング)が20万ドル(約2600万円)で落札されている。

フェラーリF355 GT
フェラーリF355 GT

ルノー・クリオ・ウィリアムズ

ルノー・クリオの高性能モデル、クリオ・ウィリアムズは、「GTI」や「XRI」といった有名なライバル車の陰で、ゆっくりと価値を高めてきたが、今ようやく成熟しつつある。

昨年10月、フランスのオークションハウス「Artcurial」では、1995年式のクリオ・ウィリアムズが7万3094ユーロ(約1030万円)で落札された。前オーナーはルノーだけで、走行距離はわずか3万1000km。少し前までは普通の中古車と変わらない価格帯だったのが、今やクラシックカーという枠を飛び越え、真のコレクターズアイテムとなったのだ。

ルノー・クリオ・ウィリアムズ
ルノー・クリオ・ウィリアムズ

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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